記録・連絡帳
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【例文100選】放デイ・児発の支援記録の書き方|そのまま使える記録例とNG表現

daichi

一日の活動が終わって、子どもたちを送り出したあと。

パソコンの前に座って、記録の入力欄を開いたまま、手が止まる。

今日あったことは、頭の中にちゃんとあります。

なのに、それを文章にしようとすると、出てくるのは「楽しそうでした」「がんばっていました」ばかり。

これでいいのかな、と思いながら書いて、保存を押す。

その繰り返しに、少し疲れていませんか。

この記事は、その手を止める時間をなくすために作りました。

この記事では、放課後等デイサービス・児童発達支援で使える支援記録の例文を100個紹介します。

あわせて、「楽しそうだった」「頑張っていた」「落ち着かなかった」といったあいまいな表現を、実際に観察した事実として書くための考え方も解説します。

さらに、5領域との対応表、AIを使うときの線引き、書いた記録をその場で確認できる無料ツールまで用意しました。

上から読む必要はありません。今日書きたい場面のところだけ開いて、言葉を借りてください。

先に、この記事の結論

① 記録が書けないのは、語彙が足りないからではありません。

② 専門的な記録とは、難しい言葉を使うことではなく、見たことを細かく書くことです。

③ まず覚えておきたい基本の型は「事実 → 支援 → 反応」。この順に整理すると書きやすくなります。

④ 「楽しそう」「落ち着かない」は、あなたの感想です。事実に置きかえる対応表を用意しました。

⑤ 迷ったら、この記事の100本から近いものを選んで、名前と数字だけ差し替えてください。

⑥ AIは「書かせる」のでなく「見てもらう」。頼んでよいこと/いけないことを整理しました。

わかば
わかば

だいち先生、記録がどうしても書けません。
今日あったことは覚えているのに、いざ入力しようとすると「楽しそうでした」しか出てこなくて。
語彙力がないんでしょうか…。

だいち
だいち

それ、語彙力の問題じゃないよ。
むしろ逆で、難しい言葉を使おうとするから書けなくなってることの方が多い。
今日はそこから、ほどいていこうか。

そもそも、支援記録とは何を書くものか

先に、ひとことだけ整理しておきます。

支援記録とは、その日の子どもの様子・行った支援・そのあとの反応を残して、職員の間で共有するためのものです。

大事なのは、きれいな文章を書くことではありません。

あとから読んで、その日に何があったのかを確認できることです。

読む相手は、次にその子と関わる職員です。

そう考えると、書くべきものが少し見えてきます。

記録が書けないのは、語彙が足りないからではありません

記録について、現場でとてもよく見かける相談があります。

「活動日誌を、これから専門的な文章に変えることになった」というものです。

そのとき多くの人が、次のように考えます。

「くすぐり遊び」は、何という訓練になるんだろう。

「紙をちぎる」は、指先の訓練と書けばいいんだろうか。

「追いかけっこ」は、どう言いかえるのが正しいんだろう。

つまり、専門的な記録にする=専門用語に置きかえることだと思ってしまうんです。

ここが、いちばん大きな誤解です。

わかば
わかば

……たしかに私も、それをやろうとしていました。
「粘土あそび」を「微細運動」って書いた方が、それっぽいかなって。

だいち
だいち

気持ちはすごく分かる。
でもね、「紙をちぎる」を「微細運動」に書きかえても、読む人が受け取る情報はひとつも増えていないんだ。

試しに、2つを並べてみます。

同じ場面を、2通りで書いてみる

  • A:微細運動に取り組まれ、意欲的に参加されました。
  • B:折り紙を1/4の大きさまで、指先で7〜8回ちぎった。途中で手を止めることはなく、ちぎった紙を自分で箱に集めた。

Aは専門用語と敬語でできていますが、この子が何をしたのかは分かりません。

Bには専門用語がひとつも入っていませんが、次に何を用意すればいいかまで見えてきます。

記録に求められている「専門性」は、用語の側にはありません。

どれくらい細かく見ていたか——つまり観察の解像度の方に宿ります。

これは、監査や運営指導の場面でも同じです。

むしろ「誰が読んでも分かる書き方で」と伝えられることの方が多いはずです。

記録は、次にその子と関わる職員が読むものだからです。

覚えておきたい一行

難しく書けなくて悩んでいるのではなく、難しく書こうとするから悩んでいる。

まず覚えておきたい基本の型は「事実 → 支援 → 反応」

書けない日をなくす一番の近道は、基本の型をひとつ覚えてしまうことです。

記録の様式や求められる項目は事業所ごとに違いますが、中身を整理するときの順番は、だいたい共通しています。

順番は、これだけです。

記録の基本の型

  • ① 事実:何があったか。目で見て、耳で聞いたこと。
  • ② 支援:それに対して、職員が何をしたか。
  • ③ 反応:そのあと、子どもがどうなったか。

この3つを意識すると、記録を書くときに整理しやすくなります。

文章が上手である必要はありません。

何を書けばいいか分からなくなったときは、自分に3つ質問すると戻ってこられます。

手が止まったら、この順番で自分に聞く

  • 「何があった?」 → ① 事実
  • 「職員は何をした?」 → ② 支援
  • 「その後どうなった?」 → ③ 反応

書こうとするから止まります。思い出そうとすると動きます。この3つの質問が、そのまま記録の順番です。

実際に当てはめてみます。

型に当てはめた例

  • ①事実 工作の途中で鉛筆が折れ、その場で手を止めて動かなくなった。
  • ②支援 新しい鉛筆を差し出し、「ここまでできてるね」と途中までの作品を一緒に見た。
  • ③反応 受け取って作業を再開し、最後まで仕上げた。

3つとも書けない日もあります。

そういうときは、①だけでも構いません。

「何もなかった」と書くより、「今日は制作活動に20分間、離席せずに取り組んだ」と1行あるほうが、次の職員の役に立ちます。

わかば
わかば

支援と反応まで書かなきゃいけないと思って、それで書けなくなっていたのかも…。

だいち
だいち

そう。全部そろえようとすると、かえって書けなくなる。
まず事実を1つ。書けたら支援を足す。慣れてきたら反応まで。
その順番でいいからね。

「楽しそう」を、観察できる言葉に置きかえる対応表

記録でいちばん多いのが、感想と事実が混ざってしまうことです。

「楽しそうだった」は、あなたが受け取った印象です。

印象そのものが悪いわけではありません。

ただ、印象だけで埋まった記録は、半年後に読み返しても何も思い出せません。

よく使われる言葉を、観察できる書き方に置きかえてみます。

あいまいな言葉 → 観察できる言葉(18例)

  • ❌ 楽しそうだった → ⭕ 活動中に3回「もう1回」と言い、終了の合図まで参加した
  • ❌ 落ち着かない → ⭕ 活動中に4回離席し、1回あたり1〜2分で席に戻った
  • ❌ がんばっていた → ⭕ 10分間、声かけなしで最後まで取り組んだ
  • ❌ 意欲的に参加 → ⭕ 開始の合図と同時に、自分で道具を取りに行った
  • ❌ 機嫌が悪い → ⭕ 声かけへの返事がなく、机に伏せている時間が5分ほどあった
  • ❌ 情緒が不安定 → ⭕ 泣く場面が2回あり、いずれも活動の切り替えのときだった
  • ❌ こだわりが強い → ⭕ 同じ順番で並べ直す様子が3回見られた
  • ❌ 問題行動があった → ⭕ 他児が使っていた玩具に手を伸ばした
  • ❌ じっとしていない → ⭕ 座っていた時間は約3分で、そのあと立ち上がった
  • ❌ 集中力がない → ⭕ 5分を過ぎると手が止まり、休憩のあと再開した
  • ❌ わがまま → ⭕ 「先にやりたい」と言い、順番を待つ場面で声が大きくなった
  • ❌ 少し成長が見られた → ⭕ 前回は職員が手を添えたが、今回は一人で行った
  • ❌ コミュニケーションが苦手 → ⭕ 職員には自分から話し、他児へは職員を介して伝えた
  • ❌ 甘えが見られた → ⭕ 職員のそばに来て、手をつないで移動した
  • ❌ 反抗的 → ⭕ 「やらない」と言い、その場に座った
  • ❌ 仲良く遊べた → ⭕ 同じ遊びを10分ほど続け、順番の交代が3回あった
  • ❌ 上手にできた → ⭕ 見本と同じ手順で、最後まで一人で仕上げた
  • ❌ 疲れているようだった → ⭕ あくびが3回あり、活動の後半は横になって過ごした

コツは「確かめる」ことです。回数・時間・言葉・行動など、実際に確認できた具体的な情報を入れると、感想だけの記録から、観察した事実を含む記録に変えやすくなります。

わかば
わかば

「数える」だけでいいんですね。
言いかえの言葉を覚えるんだと思っていました。

だいち
だいち

そう、覚えるものじゃないんだ。
何回だった? 何分だった? と自分に聞いてみる。
ただし数字を足せば事実になる、というわけじゃない。
「楽しそうに5分活動した」は、5分が入っていても「楽しそう」はまだ感想だからね。

そのまま使える記録例100本【10カテゴリ】

ここからは、場面ごとの記録例です。

名前・回数・時間などを、実際に見た内容に合わせて書き換えて使ってください。

この100本は文章の型であって、目の前の子の記録ではありません。

ですので、ひとつだけ約束があります。

実際に見ていないことは、書かないでください。

近いものを選んで、あなたが見た事実の方に寄せる——その順番でお願いします。

① 活動への参加

  • 制作活動の開始時、道具を配ると自分から袋を開け、席に着いて開始を待っていた。
  • 集団遊びの説明中、話し手の方を向いており、開始の合図と同時に立ち上がった。
  • カードゲームに誘うと「やる」と答え、自分で椅子を運んで輪に加わった。
  • 活動の途中で一度離席したが、職員が席を示すと戻り、最後まで参加した。
  • 見学から入り、5分ほど様子を見たあと、自分から輪に入った。
  • 好きな曲が流れると体を左右に揺らし、周囲の子と同じ動きをしようとしていた。
  • 苦手だと話していた活動に、職員が隣につくことで最後まで取り組んだ。
  • 活動を2つ提示すると、迷わず一方を指さして選んだ。
  • 前回は参加しなかった活動に、今回は道具の準備から関わった。
  • 終了の合図のあと、使った道具を自分から片づけ場所へ運んだ。

② 集中・取り組み

  • 課題プリントに約10分間取り組み、途中で手を止めることはなかった。
  • パズルに取り組む間、周囲の声に反応せず、完成まで手を動かし続けた。
  • 5分ほどで手が止まったが、休憩をはさむと再び机に向かった。
  • 机の上を課題だけにすると、開始までにかかる時間が短くなった。
  • 音の刺激が少ない席を用意すると、最後まで座って取り組んだ。
  • 難しい問題で手が止まったとき、「ここまでできたね」と伝えると再開した。
  • タイマーで残り時間を示すと、終わりまで席についていた。
  • 途中で立ち上がったが、自分から席に戻り、続きに取りかかった。
  • 見本を横に置くと、確認しながら進める場面が見られた。
  • 最後の1問で「できない」と言ったが、一緒に読み上げると答えを書いた。

③ 対人関係

  • 順番を待つ場面で、前の子が終わるまで列に並んでいた。
  • 玩具を使いたい場面で、職員が間に入ると「かして」と言葉で伝えた。
  • 同年代の子が近づくと体を寄せ、同じ遊びを始めた。
  • 遊びの途中で意見が分かれたが、職員が間に入ると別の遊びを提案した。
  • 年下の子が転んだとき、近くまで行って様子を見ていた。
  • 職員には自分から話しかけるが、他児とのやりとりは職員を介する場面が多かった。
  • 一人で過ごす時間を選び、離れた席で本を見ていた。
  • 「入れて」と声をかけて、遊んでいる集団に加わった。
  • 相手が使っている物に手を伸ばしたが、職員が声をかけると手を止めた。
  • 帰り際、特定の子に「またね」と手を振った。

④ コミュニケーション

  • 質問に対して、単語で答える場面が多く見られた。
  • してほしいことを、職員の手を引いて伝えた。
  • 絵カードを指さして、次にやりたい活動を伝えた。
  • 「はい」「いいえ」で答えられる聞き方にすると、応答が増えた。
  • 二語文で「おかし たべる」と伝えた。
  • 話が広がりやすいため「どれから話す?」と聞くと、順番に話した。
  • 声の大きさを手の高さで示すと、調整しようとする様子があった。
  • 名前を呼ばれると顔を上げ、返事をした。
  • 伝わらなかったとき、別の言い方に変えてもう一度伝えようとした。
  • 帰りの会で、今日やったことを一言で発表した。

⑤ 感情・気持ち

  • 活動が終わることを伝えると、床に座り込み、しばらく動かなかった。
  • 表情がこわばり声が小さくなったため、別室で数分過ごした。
  • 気持ちが高ぶった場面で、職員が「くやしかったね」と言葉にすると落ち着いた。
  • 泣いたあと、自分から水を飲みに行き、活動に戻った。
  • うれしいことがあったとき、手をたたいて職員に伝えに来た。
  • 声をかけずにそばで待つと、5分ほどで自分から話し始めた。
  • 予定が変わることを事前に伝えると、混乱は見られなかった。
  • 気持ちが高ぶる前に、休憩スペースへ自分から移動した。
  • 「いやだ」と言葉で伝えることができた。
  • 帰り支度の場面で表情が硬かったが、理由を尋ねると学校での出来事を話した。

⑥ 行動・切り替え

  • 終了5分前に予告すると、時間どおりに片づけを始めた。
  • 次の活動へ移る場面で、時計を示すと移動した。
  • 切り替えが難しい場面で、「あと1回」と回数を決めると応じた。
  • 好きな活動の中断を伝えると、その場から動かない時間が3分ほどあった。
  • 次の活動を写真で示すと、自分から移動を始めた。
  • 順番が来るまでの間、別の遊びを提示すると座って待てた。
  • 予定表を一緒に確認してから活動に入ると、途中の離席が減った。
  • 一度部屋を出たが、職員が付き添うと戻ってきた。
  • 帰りの支度を、声かけなしで最後まで行った。
  • 中断のあと、自分から「もういい」と言って次の場所へ移った。

⑦ 生活・身辺自立

  • 手洗いを、声かけなしで最後まで行った。
  • 上着のファスナーを自分で上げようとし、途中まで一人で行った。
  • 靴を左右そろえて下駄箱に入れた。
  • おやつの前に、自分から手を洗いに行った。
  • 荷物を決められた場所に置き、連絡帳を職員に手渡した。
  • トイレに行くタイミングを、自分から職員に伝えた。
  • コップを両手で持ち、こぼさずに運んだ。
  • 食べ終わったあと、ごみを自分でごみ箱へ入れた。
  • 服のそでが濡れたとき、自分で袖をまくった。
  • 帰りの荷物を、チェック表を見ながら一人でそろえた。

⑧ 運動・身体活動

  • 平均台を、両手を広げて渡りきった。
  • ボール遊びで、両手で受け止める場面が見られた。
  • 走る場面で周囲との距離を保ち、ぶつからずに移動した。
  • 階段を、手すりを使って一段ずつ上った。
  • 立っている時間が長いと姿勢が崩れるため、座って行う形に変更した。
  • 縄跳びに取り組み、連続で3回跳んだ。
  • マット運動で前転を行い、補助なしで起き上がった。
  • 屋外活動で20分ほど歩き、途中で休憩を1回とった。
  • 体を大きく動かす遊びのあと、呼吸が整うまで座って過ごした。
  • トランポリンで、跳ぶ回数を数えながら跳んだ。

⑨ 制作・創作活動

  • はさみを使い、直線に沿って紙を切った。
  • のりの量を職員が示すと、同じくらいの量を使った。
  • 折り紙を、見本を見ながら三角に折った。
  • 色を自分で選び、下地を塗ってから細部を描いた。
  • 途中で作品が破れたが、自分でテープを取りに行って直した。
  • 完成した作品を職員に見せに来て、作った順番を説明した。
  • 手が汚れることを気にしたため、道具を使う形に変えると最後まで取り組んだ。
  • 粘土を手のひらで転がし、丸い形を作った。
  • 見本と違う作り方を選び、自分の方法で仕上げた。
  • 片づけの際、使った道具を色ごとに分けて戻した。

⑩ 集団活動・社会性

  • ルールのある遊びで、順番を守って参加した。
  • 負けた場面で一度その場を離れたが、次の回には戻って参加した。
  • 「はじめの言葉」を担当し、前に出て話した。
  • 自分の役割を確認すると、最後まで役割を果たした。
  • 全体への説明では動かなかったが、名前を呼んで伝えると動き始めた。
  • 他児が困っている場面で、道具を渡す様子が見られた。
  • 人数が多い場面では部屋の端で過ごし、少人数になると輪に入った。
  • 話し合いの場面で手を挙げ、自分の考えを伝えた。
  • 勝敗のある遊びで、勝った相手に「おめでとう」と言った。
  • 帰りの会で、他児の発表を最後まで座って聞いた。

5領域とつなげて書くと、計画を考えるときの参考になります

記録を書くとき、もうひとつ知っておくと得なことがあります。

こども家庭庁の「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)では、本人への支援を5つの領域で整理しています。原文はこども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等について」で公開されています。

本人支援の5領域

  • ① 健康・生活
  • ② 運動・感覚
  • ③ 認知・行動
  • ④ 言語・コミュニケーション
  • ⑤ 人間関係・社会性

個別支援計画(その子に何をどう支援するかを書いた、事業所の計画書)は、この5つの領域と結びつけて作る形になっています。

ただし様式や運用の細かいところは事業所・自治体で違いますので、勤務先の書式を確認してください。

ここが大事なところです。

日々の記録が5領域のどこに当たるかを意識しておくと、モニタリング(計画どおり進んでいるかを、決まった時期に見直すこと)のときに探し直さずに済みます。

計画を作る場面で、日々の記録が参考資料として使われることがあるからです。

どの記録をどう使うかは事業所によって違いますが、領域を意識して書いておいて損はありません。

上の100例は、次のように対応します。

100例と5領域の対応

  • ① 健康・生活 → ⑦生活・身辺自立
  • ② 運動・感覚 → ⑧運動・身体活動
  • ③ 認知・行動 → ②集中・取り組み / ⑥行動・切り替え / ⑨制作・創作活動
  • ④ 言語・コミュニケーション → ④コミュニケーション
  • ⑤ 人間関係・社会性 → ③対人関係 / ⑩集団活動・社会性

①活動への参加と⑤感情・気持ちは、場面によって複数の領域にまたがります。

無理に1つに寄せなくて大丈夫です。

領域を意識した書き方の例も、2つずつ載せておきます。

① 健康・生活

  • 水分をとるタイミングを自分で決め、活動の合間に2回コップを取りに行った。
  • 衣服の前後を職員が示すと、次の着替えでは自分で確認してから着た。

② 運動・感覚

  • 大きな音のする場面で耳をふさいだため、隣室で3分過ごしてから戻った。
  • 片足立ちを、支えなしで約5秒保った。

③ 認知・行動

  • 手順表を左から順に指でたどり、3工程を間違えずに進めた。
  • 前回はできなかった片づけの順番を、今回は声かけ1回で最後まで行った。

④ 言語・コミュニケーション

  • 「かして」と言ってから玩具を受け取る場面が、この日は3回あった。
  • 選択肢を2つ示すと、指さしと発語の両方で伝えた。

⑤ 人間関係・社会性

  • じゃんけんで負けたあと、相手に「いいよ」と言って順番をゆずった。
  • 初めて会う職員には距離をとっていたが、活動の後半には同じ机で作業した。

書くときに、気をつけたい4つのこと

例文が手元にあると、つい書けてしまいます。

だからこそ、ここだけは守っておきたい、というものを4つ挙げます。

記録で外してはいけない4つ

  • ① 見ていないことは書かない 直接見ていない場面は、「他の職員から聞いた」と分けて書く。
  • ② 診断や原因を決めつけない 「◯◯だからできない」ではなく、「◯◯の場面で手が止まった」と事実で止める。
  • ③ 子どもを否定する言葉を使わない 記録は保護者が読む可能性があります。読まれて困る言葉は、事実に置きかえる。
  • ④ その日のうちに書く 時間が経つほど、事実が印象に置きかわっていきます。

③については、少し補足します。

記録の書き方や保護者への開示の範囲は、事業所によって運用が違います。

敬語を使うかどうか、記録をそのまま見せるかどうかも、職場ごとのルールがあります。

この記事の例文は文体をそろえていますが、まずは自分の事業所の書式とルールを確認してください。

なお、支援の内容について記録を整えておくことは、事業所に求められているものです。

ただし様式・保存の方法・確認の手順は自治体や事業所で扱いが変わるため、詳しいところは職場の管理者や児発管(児童発達支援管理責任者。支援の計画をつくる責任者)に聞くのが確実です。

AIに支援記録を書かせるときの注意点

最近は、AIに記録を書かせる話も出てきました。

結論から言うと、AIに「記録を書いて」と丸ごと頼むのは、避けたい使い方です。

理由はひとつです。

AIは、その場にいなかったからです。

それらしい文章は出てきます。

けれどそこには、あなたが見ていない出来事が混ざります。

記録は、支援の根拠になる書類です。

見ていないことが1行でも入った時点で、その記録は使えなくなります。

わかば
わかば

でも、書く時間が短くなるなら使いたい気持ちもあります…。

だいち
だいち

うん、そこは分かる。
だから「書かせる」のはやめて、「見てもらう」のはいい——という線を引いておこう。
この線さえ守れば、AIはかなり役に立つよ。

AIに頼んでよいこと/頼んではいけないこと

  • ⭕ 自分が書いた文を、読みやすく整理してもらう(事実は足させない)
  • ⭕ あいまいな言葉を指摘してもらう(「楽しそう」はどこが?と聞いてもらう)
  • ⭕ 書き忘れを指摘してもらう(支援は? そのあとの反応は?)
  • ❌ 出来事そのものを書かせる(見ていない事実が混ざります)
  • ❌ 例文をそのまま貼る(その子の記録ではなくなります)
  • ❌ 子どもの名前・特性・事業所名を入力する(個人情報です)

そしてAIを業務で使ってよいかは、事業所ごとにルールが違います。

使う前に必ず確認してください。

書いた記録を、その場で見てくれる道具を作りました

上の「頼んでよいこと」だけをする道具を、無料で用意しました。

あなたが書いた文を貼ると、感想に寄っている言葉と、書き忘れている項目を指してくれます。

文章を書きかえたり、出来事を足したりはしません。

直すのはあなたの手で、というのがこの道具の考え方です。

支援記録チェッカー(無料・登録不要)

① 「事実・支援・反応」の欄に分けて入れると、1本の文につなげます。

② すでに書いた記録は、貼りつけると、あいまいな言葉と抜けている項目を指します。

入力した文章はお使いの端末の中だけで処理していて、どこにも送信していません。

▶ 支援記録チェッカーを使ってみる(無料)
▶ 放デイの記録が時間内に終わらない…毎日残らずに書き終える7つの工夫【職員向け】
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記録の時間を短くする、3つのやり方

最後に、書く時間そのものを削る方法です。

今日から試せる3つ

  • ① メモは活動の直後に、単語だけ 「平均台/3回/自分から」のように、文章にしないでスマホやメモ帳に残す。文章化は後でできます。
  • ② 書き出しを固定する 「◯◯の場面で、」から始めると決めておくと、最初の一文で悩まなくなります。
  • ③ 自分用の言い回しを10個ストックする この記事から、自分の現場で使いそうなものを10本だけ選んでコピーしておく。毎日そこから選ぶだけになります。

記録が遅いのは、書くのが遅いからではありません。

何を書くか決めるのに時間がかかっていることがほとんどです。

わかば
わかば

①のメモ、今日からやってみます。
いつも帰り際に思い出そうとして、それで時間がかかってました。

だいち
だいち

思い出す時間がいちばん長いからね。
単語3つでいい。「誰が・何を・どうなった」だけスマホに打っておけば、あとは並べるだけになるよ。

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よくある質問

Q. 敬語(「〜されました」)で書くべきですか?

A. 事業所のルールに合わせてください。

大切なのは文末ではなく、そこに事実が書かれているかどうかです。

敬語でも「意欲的に参加されました」だけでは、情報は増えません。

Q. 何も特別なことがなかった日は、どう書けばいいですか?

A. 「特になし」ではなく、いつもどおりできたことを1つ書いてください。

「制作活動に20分間、離席せずに取り組んだ」は、立派な記録です。

変化がないことも情報です。

Q. ネガティブな出来事は書かない方がいいですか?

A. 隠さずに、事実として書いてください。

ただし「暴れた」ではなく「机を両手で押し、椅子が倒れた」のように、行動そのものを書きます。

評価の言葉を抜けば、事実は残しつつ、読んだ人を不安にさせずに済みます。

Q. 記録を書く時間が勤務時間内に取れません。

A. これは書き方ではなく、人の配置の問題です。

記録の時間が取れない状態が続いているなら、まずは管理者に相談する場面かもしれません。

それでも変わらないときの考え方は、別の記事にまとめています。

まとめ

この記事のポイント

  • ① 記録が書けないのは語彙の問題ではなく、難しく書こうとしているから。
  • ② 専門性は用語ではなく、観察の解像度に宿る。
  • ③ 基本の型は「事実 → 支援 → 反応」。事実だけの日があってもいい。
  • ④ 「楽しそう」は感想。回数・時間・言葉・行動など、実際に確認できたことを添えると、観察した事実を含む記録に変えやすくなる。
  • ⑤ 100本の例文は型。実際に見ていないことは書かない。
だいち
だいち

記録は、うまく書けた人が偉いんじゃない。
その子のことをちゃんと見ていた人が書けるものなんだ。
手が止まっていたのは、あなたがいいかげんに書きたくなかったから。
今日のあなたに、はなまる。

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