放デイの記録が時間内に終わらない…毎日残らずに書き終える7つの工夫【職員向け】
子どもたちが帰ったあと、パソコンの前に座る。
気づくと1時間が過ぎている。
まわりを見ると、誰も帰っていない。
——自分が遅いだけなんだろうか。
そう思って検索すると、出てくるのは「介護職の残業を減らす方法」ばかりです。
放デイの記録について書かれたものが、ほとんど見つかりません。
この記事は、放デイの記録が終わらない理由と、明日から減らせるところを書きます。
先に結論
① 終わらないのは、書くのが遅いからとは限りません。
② いちばん多いのは「書く前に、書くことが決まっていない」状態です。
③ 効くのはその場で3つ拾っておくこと。あとで思い出す時間がまるごと消えます。
④ 書く順番を固定すると、迷う時間が減ります。
⑤ それでも終わらないなら、個人の工夫では届かないところに原因があります。

だいち先生、毎日1時間くらい残って記録を書いてます。
私が遅いんでしょうか…。

遅い人もいるけど、たいていは違う。
「書く時間が足りない」んじゃなくて「思い出す時間が長い」んだ。
そこを削ると、だいぶ変わるよ。
終わらない理由は、たいてい3つに分かれます
同じ「終わらない」でも、原因が違います。
自分がどれに当てはまるか、先に決めてください。
3つのうち、どれですか
- ① 思い出せない パソコンの前に座ってから「今日この子、何してたっけ」と考え始める。→ いちばん多い型。この記事の前半で扱います。
- ② 書き方が決まっていない 毎回ゼロから文を組み立てている。言い回しに迷う。→ 型を決めると速くなります。
- ③ そもそも時間が用意されていない 記録を書く時間が、勤務時間の中に入っていない。→ 個人の工夫では届きません。後半で扱います。
①と②は明日から変えられます。
③は事業所に持っていく話です。
混ぜて考えると、自分を責め続けることになります。
いちばん効くのは「その場で3つ拾う」
記録が長引くいちばんの原因は、書く時間ではなく思い出す時間です。
6時間ぶんの記憶を、あとから引き出そうとしています。
だから、その場で拾っておきます。
拾うのは3つだけ
- ① いつ・どの場面か 「おやつ」「宿題」「集団あそび」など、ひとことで足ります。
- ② 何をしたか 見えたこと、聞こえたことだけ。「順番を代わってあげた」「途中で席を立った」。
- ③ 前と違うところ 「前回はできなかった」「今日は自分から言った」。ここが記録でいちばん価値があります。
③は難しく考えなくて大丈夫です。
思いつかない日は空でかまいません。
毎日3つ全部そろえようとすると続きません。
拾い方は、なんでも構いません。
その場で残す方法
- ポケットのメモ帳に3語だけ 「たろう/おやつ/順番」でも、あとから思い出せます。
- 付せんに1行 1人1枚。書いたら記録用紙に貼っておく。
- 事業所のルールでスマホが使えるなら 自分あてのメモに音声入力。ただし個人情報の扱いは事業所の決まりに従ってください。
※子どもの名前や情報を、私物のスマホやアプリに残してよいかは事業所によって違います。
使う前に必ず確認してください。

帰ってから思い出そうとして、いつも15分くらい固まってました。

それが1人あたり10分だとして、5人で50分。
その50分は、書いてる時間じゃなくて思い出してる時間なんだ。
ここを削るのがいちばん早い。
書く順番を固定する
毎回ゼロから組み立てると、言い回しに迷います。
順番を決めておくと、当てはめるだけになります。
この順番で書く
① 事実 何があったか。目で見て、耳で聞いたこと。
② 支援 こちらが何をしたか。声をかけた、待った、環境を変えた。
③ 反応 そのあと子どもがどうしたか。
この3つを順に置くだけで、1つの記録になります。
実際の例です。
同じ場面を、順番に当てはめると
- ① 事実 「集団あそびの途中で席を立ち、部屋の隅に座った」
- ② 支援 「声はかけず、近くで一緒に座って待った」
- ③ 反応 「3分ほどで自分から戻り、最後まで参加した」
迷ったら、この3つに当てはまらない情報は書かなくて構いません。
感想や反省は、記録の欄には要りません。
そのまま使える言い回しは、支援記録の例文100選にまとめてあります。
書いた文が事実になっているかは、記録チェッカーに貼れば数秒で確認できます。
「書くことがない」で止まる日
いちばん時間が溶けるのは、書くことが思いつかない日です。
そういう日のために、引き出しを3つ持っておきます。
何もなかった日に見るところ
- ① 前回と同じことができたか 「前回に続き、最後まで座って取り組んだ」。続いていることも変化です。
- ② 誰と、どこにいたか 「自由時間は同じ子のそばで過ごしていた」。関わりの相手は、あとから意味を持ちます。
- ③ 職員が何をしなかったか 「声をかけずに見守った」。やらなかったことも支援です。
それでも出ないときは「大きな変化なく過ごした」で構いません。
毎日ドラマを見つけようとすると、記録が苦行になります。
書く場所が多すぎるとき
支援記録、連絡帳、業務日誌、ヒヤリハット。
同じ場面を何度も書いていると感じたことはないでしょうか。
それぞれ読む人が違うので、書き分けると速くなります。
誰が読むかで分ける
- 支援記録 読むのは職員と児発管(児童発達支援管理責任者。支援の計画をつくる責任者)。事実を残す。次の支援の材料になります。
- 連絡帳 読むのは保護者。今日の様子を伝える。専門用語は使いません。
- 業務日誌 読むのは事業所と、指導に来る人。人数・時間・活動内容など、事実の記録。
- ヒヤリハット 読むのは次に同じ場面に立つ職員。責任追及の書類ではありません。
同じ出来事でも、書く相手が違えば、書く中身も変わります。
全部に同じ文を書いていると、時間だけかかって、どれも中途半端になります。
連絡帳の書き分けは連絡帳の書き方100にまとめてあります。
時間を削る7つ
明日から試せること
- ① 全員ぶんを均等に書かない 変化があった子に時間を使い、それ以外は短くて構いません。
- ② 送迎の待ち時間に1人ぶん書く まとまった時間を待つと、結局あとにずれ込みます。
- ③ 迷ったら書かない 「これ書いたほうがいいかな」で止まる時間がいちばん長い。迷うものは翌日に回します。
- ④ 最初の1行を決めておく 「◯◯の場面では、」から始めると手が動きます。
- ⑤ 見直しは1回だけ 何度も読み返すと、直したくなって終わりません。
- ⑥ 変化がない日は「変化なし」で出す 毎日ドラマを探さないでください。
- ⑦ よく使う言い回しを手元に置く 自分用の言い換えメモを作ると、迷う回数が減ります。
7つ全部はやらなくて大丈夫です。
①と③だけでも、かなり変わります。

「迷ったら書かない」って、いいんですか。

いいよ。
迷ってるってことは、事実がはっきりしてないってこと。
はっきりしないことを書くほうが、あとで困る。
翌日、その子を見て確かめてから書けばいい。
それでも終わらないなら、原因は別のところにあります
工夫を全部やっても終わらないことがあります。
そのときは、個人の力で届く範囲を超えています。
構造のほうに原因がある場合
- 記録を書く時間が、勤務時間に入っていない 子どもが帰ってから、が前提になっている。
- 人が足りず、書く時間まで支援に取られる 最後の子が帰るまで手が空かない。
- 書式が多すぎる 支援記録・連絡帳・日誌・ヒヤリハットで、同じことを何度も書いている。
- 周りが帰らないので帰れない 定時に立ち上がりにくい空気がある。
どれもあなたの働き方が悪いわけではありません。体制の話です。
記録を書く時間は、労働時間です
記録は業務です。業務として行っている以上、その時間は労働時間に当たると考えられます。
残業代が出ない、記録の時間が勤務に入っていないといった状態が続いているなら、まずは雇用契約書と就業規則を確認してください。
そのうえで納得できないときは、各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」に無料で相談できます。
※賃金や労働時間の扱いは、雇用の形態や事業所の規程によって変わります。具体的な判断は、勤務先と公的な相談窓口で確認してください。
この状態が続いているなら、記録だけの問題ではありません。
人手不足がしんどいときもあわせて読んでみてください。
よくある質問
Q. 記録に時間をかけるほど、良い記録になりますか。
A. 時間と質は、必ずしも比例しません。
長い記録より、事実が1つはっきり書いてある記録のほうが、あとから役に立ちます。
Q. 全員ぶん同じ量を書かないと、不公平ですか。
A. 量をそろえる必要はありません。
その日に見えたことが多い子と、少ない子がいるのは自然です。
書式や運用は事業所によって違うので、迷ったら確認してください。
Q. 家に持ち帰って書いてもいいですか。
A. おすすめしません。
子どもの情報を事業所の外に持ち出すことになります。
多くの事業所で禁止されています。
まずは勤務先の決まりを確認してください。
Q. 先輩は同じ時間で全員ぶん終わらせています。
A. 先輩は、その子たちを長く見ています。
思い出す時間が、あなたより短いだけです。
これは技術というより、蓄積の差です。
まとめ
この記事のポイント
- ① 終わらない理由は3つに分かれます。まず自分がどれかを決める。
- ② いちばん多いのは「思い出す時間」が長い状態。書く時間ではありません。
- ③ その場で3つ拾う(場面・したこと・前との違い)。ここがいちばん効きます。
- ④ 事実→支援→反応の順に固定すると、迷う時間が減ります。
- ⑤ 迷ったら書かない。翌日確かめてから書けば足ります。
- ⑥ 工夫しても終わらないなら体制の問題。記録の時間は労働時間です。

毎日残って書いているということは、それだけ丁寧に見ようとしているということ。
手を抜けない人ほど、この記事にたどり着く。
減らしていいのは、丁寧さじゃなくて、迷っている時間のほう。
今日のあなたに、はなまる。
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