保護者対応
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放デイで子どものできないことを保護者にどう伝える?条件で言いかえる型と、伝える前に決める3つ【職員向け】

できないことを保護者に伝える 条件で言いかえる5例
daichi

連絡帳に書けるのは、いつも良かったことばかり。

順番が待てなかったことも、道具を投げたことも、書かないまま帰る。

伝えたほうがいいのは分かっています。

でも、書いた瞬間に責めている文章になりそうで、手が止まる。

検索して出てくるのは、連絡帳の例文か、クレーム対応の記事です。

この記事では、気になったことをどう言葉にするかと、伝える前に決めておく3つを書きます。

先に結論

① 「できない」ではなく、どの条件だと難しかったかで書きます。

② 伝える順番は事実 → 条件 → こちらの対応 → 次に試すこと。

③ 伝える前に3つ決めます。今日伝えるか・事業所として共有済みか・どの手段で伝えるか。

④ 気になることだけを続けて伝えません。回数と並べ方で受け取り方が変わります。

⑤ 発達の気づきに関わる話は、職員が1人で切り出しません。ガイドラインでも慎重にと書かれています。

わかば
わかば

だいち先生、連絡帳がいつも「楽しく過ごされました」ばかりで…。
気になったことも書いたほうがいいのは分かるんですが、書けなくて。

だいち
だいち

書けないのは、書き方を教わっていないからだよ。
「できなかった」と書くから止まる。
「どの条件なら、どうだったか」に変えると書ける。

同じところで止まっている人は多い

知恵袋には、伝える側と受け取る側、どちらの声も残っています。

伝える側の声(要旨・3件)

  • 気になる子のことを保護者にどう伝えるか悩む。どのくらいの頻度で伝えるべきか分からない。落ち込ませてしまうのではと考えてしまう。
  • 保護者は発達のことを気にしていない様子。就学が近いのに、どこまで踏み込んでいいのか迷う。
  • 落ち着きのない子がいる。年齢的にはこんなものかもしれないが、集団の中では目立つ。伝えるべきか判断がつかない。

受け取る側(保護者)の声(要旨・4件)

  • 面談で気になる点を並べられて、帰り道で泣いてしまった。
  • 「将来もずっと支援が必要」と言われ、突き落とされた気持ちになった。
  • 毎回、その日の困りごとを報告される。言葉が棘のように刺さる。
  • 家庭でもやれることはやっているのに、責められている気がした。

受け取る側の4件は、内容そのものより「並べ方」と「将来の言い切り」で刺さっていました。

「できない」を、条件に置き換える

気になったことは、たいてい「できない」の形で頭に浮かびます。

そのまま書くと、その子の性質を言い切る文章になります。

見たのは性質ではなく、ある場面での様子です。

言い換えの例

❌「順番が待てません」 → ⭕「3人待ちの場面では列を離れましたが、2人待ちだと最後まで並んでいました」

❌「集中できません」 → ⭕「静かな部屋では10分続きました。人数が多い場面では途中で離れました」

❌「指示が通りません」 → ⭕「言葉だけの説明では動きが止まり、実物を見せると始められました」

❌「乱暴です」 → ⭕「道具の取り合いになった場面で、押す動きがありました」

❌「切り替えができません」 → ⭕「終わりを事前に伝えた日は片づけに移れました。急な終了だと時間がかかりました」

どれも、できる・できないを書いていません。

どの条件だと、どうだったかを書いています。

この形なら、保護者と一緒に条件を探す話になります。

わかば
わかば

「できない」って書くと、家でも直してくださいという意味に見えますね…。

だいち
だいち

そう。しかも家庭はその条件を作れないことも多い。
条件で書けば、こちらが何を変えたかも一緒に伝わるんだ。

伝える順番は4つ

順番を決めておくと、迷いにくくなります。

伝える順番

  • ① 事実 いつ、どの場面で、何があったか。
  • ② 条件 どうすると違いが出たか。
  • ③ こちらの対応 職員が何をしたか。
  • ④ 次に試すこと 事業所で次にやってみることを1つ。

④まで書くと、報告ではなく相談になります。

家庭へのお願いは、ここには入れません。

そのまま使える形

「本日の制作で、はさみの場面に20分ほど取り組みました。」

「線が細いところで手が止まりましたが、線を太くしたものに替えると最後まで切れました。」

「職員が横で紙を押さえる形にしています。」

「次回は、太い線のものから始めてみます。」

家庭へのお願いを入れたくなったら、いったん止めてください。

お願いは、事業所として面談で伝える形にするほうが安全です。

伝える前に決める3つ

この3つを先に決めます

  • ① 今日伝えるか けがや安全に関わることは、その日に伝えます。それ以外は、続いているかどうかを見てからでも間に合います。
  • ② 事業所として共有済みか 職員が個人の判断で先に伝えません。児発管(児童発達支援管理責任者=支援の計画をつくる責任者)や管理者に一度上げます。
  • ③ どの手段で伝えるか 連絡帳・口頭・電話・面談で、向いている内容が違います。

手段の使い分け

連絡帳 短い事実と、こちらの対応。記録が残ります。

お迎えの口頭 その日のうちに知ってほしい、短い話だけ。

電話 込み入った話、経緯の説明が必要な話。

面談 支援の方針、家庭へのお願い、今後の見通しに関わる話。

連絡帳に書くときの型と例文は連絡帳の書き方にまとめています。

お迎えの30秒で何を話すかは送迎で保護者と何を話すかにあります。

回数と並べ方で、受け取り方が変わります

同じ内容でも、続けて伝えると印象が変わります。

受け取る側の声で多かったのは、ここでした。

気をつける並べ方

  • 気になることを3つ並べない 1回に1つにします。
  • 毎日続けない 同じ心配が続くときは、面談の場にまとめます。
  • 良かった場面と同じ日に、無理に混ぜない 良い話の後に続けると、前置きに見えることがあります。
  • 将来の見通しを言わない 「このままだと◯◯になります」は、職員が言う言葉ではありません。

最後の1つは、受け取る側の声でいちばん強く出ていました。

将来の言い切りは、その日の支援の話ではありません。

発達の気づきに関わる話は、1人で切り出さない

気になることを伝えるうちに、発達の話に近づくことがあります。

ここは、慎重に扱うようガイドラインに書かれています。

ガイドラインの記述

「『家族支援』は、家族がこどもの障害の特性等を理解していくために重要な支援であるが、理解のプロセス及び態様は、それぞれの家族で異なることを理解することが重要である」

「特に、こどもの障害の特性等の理解の前段階として、『気づき』の支援も『家族支援』の重要な内容であり、個別性に配慮して慎重に行うことが大切である」

誰が、いつ、どこまで伝えるかは、事業所として決めることです。

職員が立ち話で切り出す話ではありません。

受診や相談をすすめる形も、同じです。

ガイドラインの記述

「職員は、日頃からこどもの状況を保護者と伝え合い、こどもの発達の状況や発達上のニーズについて共通理解を持つことが重要である」

日々伝えるのは、この共通理解のためです。

評価を伝えるためではありません。

わかば
わかば

「気になります」と言うだけで終わっていた気がします。

だいち
だいち

気になる、で止めると受け取った側は何もできないんだ。
場面と条件、それにこちらが何をしたかまで置く。
そこまでが1セットだよ。

それでも受け取ってもらえないとき

伝えても、「家では大丈夫です」と返ってくることがあります。

そこで押し返さないでください。

そのときの動き方

  • 家庭と事業所で様子が違うことはあります どちらが本当かを決める話ではありません。
  • 場面で伝え直します 「こちらでは、この場面で難しくなります」。
  • 記録を残します いつ、何を伝えたか。次の面談の材料になります。
  • そのうえで上に上げます 伝わっていないことは、あなた1人の課題ではありません。

記録の書き方は支援記録の例文100選にまとめています。

よくある質問

Q. 良いことしか書けません。それでも大丈夫ですか。

A. 大丈夫です。まずは事実を短く書くところからで足ります。気になることは、続いていると分かってから伝えても遅くありません。

Q. 保護者に嫌がられそうで、書くのが怖いです。

A. 書き方を条件の形にすると、責める文章になりにくくなります。それでも不安なら、出す前に児発管や管理者に見てもらってください。

Q. 家庭でも取り組んでほしいときは、どう書きますか。

A. 連絡帳ではなく、面談の場で相談してください。お願いは、事業所として伝える形が安全です。

Q. 保護者から「もっと厳しくしてほしい」と言われました。

A. その場で約束しないでください。方針は事業所として決めます。「持ち帰って相談します」で構いません。

Q. 伝えたあと、保護者の様子が変わりました。

A. 管理者に共有してください。関係の立て直しは、1人でやることではありません。

まとめ

この記事のポイント

  • ① 「できない」ではなくどの条件だと難しかったかで書きます。
  • ② 順番は事実 → 条件 → こちらの対応 → 次に試すこと。
  • ③ 伝える前に今日伝えるか・共有済みか・どの手段かを決めます。
  • ④ 1回に1つ。将来の見通しは職員が言いません。
  • ⑤ 発達の気づきに関わる話は、ガイドラインでも慎重にとされています。1人で切り出しません。
  • ⑥ 受け取ってもらえない日があっても、場面で伝え直して記録に残します。
だいち
だいち

気になったことを、書かずに帰った日があったなら、それは相手の受け取り方を想像できたからだ。
あとは書き方を変えるだけでいい。
条件で書けば、責める文章にはならない。
今日のあなたに、はなまる。

出典

こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(PDF)

※伝える手順や様式は事業所ごとに決められています。実際の運用は勤務先の決まりに従ってください。

あわせて使えるもの

▶ 連絡帳の書き方(例文100) 場面別の文例があります。

▶ 支援記録チェッカー 書いた文に主観の言葉が混ざっていないかを確かめられます。

▶ 放デイ職員の悩み まとめ 6つに分けて、いまのしんどさから読める地図です。

▶ 支援員のミカタの公式LINE 「こんな場面で困った」を送ってもらえれば、記事にすることがあります。

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