放デイの支援記録を上司に直された…赤が入る理由6つと、同じ指摘を繰り返さない方法【職員向け】
出した記録が、赤で戻ってきた。
「ここ、どういうこと?」と付せんが貼ってある。
何がダメだったのか、正直よく分からない。
でも忙しそうで、聞きにくい。
検索しても出てくるのは、保育実習の日誌の直し方や、介護記録の修正テープの話ばかりです。
この記事は、放デイの支援記録が直される理由と、同じ指摘を繰り返さない方法を書きます。
先に結論
① 直されるのは文章力の問題ではありません。ほとんどが型の問題です。
② 理由はだいたい6つに分かれます。どれかを見分ければ、次から減ります。
③ いちばん多いのは事実と解釈が混ざっていること。
④ 赤が入った記録は、いちばん早い教材です。捨てないでください。
⑤ 何を言われているか分からないときは、聞き方を変えると伝わります。

記録に赤を入れられて戻ってきました。
何がダメなのか分からなくて…。

落ち込むところじゃないよ。
赤が入るのは、読んでもらえてる証拠だ。
それに、直される理由はだいたい決まってる。
6つ知っておけば、次から自分で気づける。
直される理由は、だいたい6つです
赤が入る箇所には、いくつかの型があります。
自分の記録がどれに当たるか、見てみてください。
① 事実と解釈が混ざっている
- ❌ 「楽しそうに参加していた」
- ⭕ 「笑い声をあげながら、最後まで参加した」
- 「楽しそう」はあなたの受け取り方です。読んだ人は、何を見てそう思ったのか分かりません。
いちばん多い指摘です。迷ったら「これは目で見えたことか」を確かめてください。
② 主語がない
- ❌ 「声かけをすると、落ち着いた」
- ⭕ 「職員が『あと3回で終わり』と伝えると、◯◯さんは席に戻った」
- 誰がやって、誰がどうしたのかが抜けると、あとから読む人が再現できません。
③ 支援が書かれていない
- ❌ 「制作に取り組んだ」
- ⭕ 「見本を横に置いたところ、最後まで自分で進めた」
- 子どもの様子だけだと観察日記になります。記録にはこちらが何をしたかが要ります。
③は、あとから「この支援が効いたのか」を振り返るときに効いてきます。
④ 量があいまい
- ❌ 「少し落ち着かない様子だった」
- ⭕ 「活動の途中で3回、席を立った」
- 「少し」「たくさん」「わりと」は、人によって受け取りが変わります。数えられるものは数字にします。
⑤ 他の子の情報が入っている
- ❌ 「◯◯くんとけんかになった」
- ⭕ 「他児とのやり取りの中でトラブルになった」
- 記録はその子の書類です。他のお子さんの名前は、原則として書きません。
※これは書き方の好みではなく、個人情報の扱いです。
事業所の決まりを必ず確認してください。
⑥ 計画とつながっていない
- その日にあったことだけを書いていて、個別支援計画(その子に何をどう支援するかを書いた、事業所の計画書)の目標に触れていない。
- 計画に「順番を待つ」があるなら、その場面が記録にあると価値が上がります。
⑥を指摘されるのは、ある程度書けるようになってからです。
最初から気にしなくて構いません。

①と④が思い当たります…。

最初はだいたいそこなんだ。
この2つを直すだけで、赤の量はかなり減る。
全部いっぺんに直そうとしなくていい。
1本まるごと、直してみます
6つの型が分かっても、自分の記録に当てはめるのは難しいものです。
よくある1本を、実際に直してみます。
直す前
「今日は集団あそびに楽しそうに参加していました。少し落ち着かない場面もありましたが、声かけをすると落ち着きました。◯◯くんとも仲良く遊べていました。」
よくある書き方です。
ここに入りそうな赤を、順に見ていきます。
どこに赤が入るか
- 「楽しそうに」 → ①事実と解釈が混ざっている。何を見てそう思ったのか。
- 「少し落ち着かない場面」 → ④量があいまい。何回、いつ。
- 「声かけをすると」 → ②主語がない+③支援の中身がない。誰が、何と言ったのか。
- 「落ち着きました」 → ①解釈。実際にどうしたのか。
- 「◯◯くんとも」 → ⑤他の子の名前が入っている。
直したあと
「集団あそび(風船バレー)に参加。開始から10分ほどで2回、列を離れて窓際に移動した。職員が『あと3回で交代』と伝えると、自分から列に戻り、最後まで参加した。他児とのやり取りでは、順番を代わる場面が見られた。」
長さはほとんど変わっていません。
言葉を足したのではなく、言葉を入れ替えただけです。
入れ替えたところ
- 「楽しそうに」→ 「参加。最後まで参加した」(見えたことだけ)
- 「少し落ち着かない」→ 「10分ほどで2回、列を離れて窓際に移動」(数と場所)
- 「声かけをすると」→ 「職員が『あと3回で交代』と伝えると」(誰が、何と)
- 「落ち着きました」→ 「自分から列に戻り」(実際の動き)
- 「◯◯くんとも仲良く」→ 「他児とのやり取りでは、順番を代わる場面」(名前を出さず、事実で)
この5か所を入れ替えるだけで、赤の大半は消えます。
文章がうまくなる必要はありません。
提出する前に、自分で気づく
赤を入れられてから直すより、出す前に気づくほうが早いです。
見るのは3か所だけで足ります。
出す前の30秒チェック
- ① 気持ちの言葉を探す 「楽しそう」「うれしそう」「不安そう」。見つけたら、その根拠になった行動に置き換えます。
- ② 数えられるところを数える 「少し」「何度か」を、回数や時間に変えます。
- ③ 名前を確認する その子以外の名前が入っていないか。
全部を読み返す必要はありません。
この3つだけを探すつもりで、ざっと目を通します。
赤が入った記録は、捨てないでください
直された記録は、いちばん早い教材です。
理由は3つあります。
赤を残しておく価値
- ① あなたの現場の基準が分かる 同じ書き方でも、事業所によって求められる細かさが違います。赤はその事業所の基準そのものです。
- ② 自分の癖が見える 3回ぶんためると、だいたい同じところで直されていることに気づきます。
- ③ 次の人に渡せる あなたが後輩に教える立場になったとき、そのまま材料になります。
スマホで撮って残す場合は、子どもの名前や情報が写り込まないようにしてください。事業所の決まりも確認を。
直された箇所を、自分用の言い換えメモにためていくと早くなります。
よくある書き換えは、支援記録の例文100選にまとめてあります。
何を言われているか分からないときの聞き方
いちばんまずいのは、分からないまま次も同じ書き方をすることです。
聞きにくいのは分かりますが、聞き方を変えると通りやすくなります。
そのまま使える言い方
- 直された箇所を指して 「ここ、どう書けばよかったですか。書き直してみたいので」
- 自分の見立てを添えて 「『楽しそう』が主観だったかと思ったのですが、合っていますか」
- 次のために聞く形で 「同じところで毎回止まってしまうので、型を教えてもらえますか」
- 忙しそうなとき 「あとで5分いただけますか。記録のことで1点だけ確認したいです」
「すみません」から始めなくて大丈夫です。
これは業務の確認であって、謝る場面ではありません。

聞くと「そんなことも分からないの」と思われそうで…。

聞かずに同じ間違いを3回するほうが、時間を取られる。
1回聞いて直るなら、そっちのほうが早い。
それに、教える側からしたら聞いてくれるほうが助かるんだ。
同じ指摘を繰り返さない仕組み
覚えようとしても、書いている最中は忘れます。
記憶ではなく、手元に置く形にします。
3つだけやってみる
- ① 自分の指摘トップ3を紙に書く 「主観を書かない」「主語を入れる」「数える」など。記録用紙のそばに貼っておきます。
- ② 書き終わったら、その3つだけ見返す 全体を読み返すと時間がかかります。3点だけに絞ります。
- ③ 出す前に1回だけ通す 書いた文が主観に寄っていないかは、記録チェッカーに貼れば数秒で確認できます。
③は登録もインストールも要りません。
提出前の最後の1回に使ってみてください。
直されない記録が、良い記録とは限りません
最後に、ひとつだけ。
赤が入らなくなったことを、目標にしないでください。
当たり障りのない書き方をすれば、赤は入らなくなります。
けれどその記録は、あとから読んでも何も分かりません。
目指すのはここです
赤が入らないことではなく、あとから読んだ人が、その場面を思い浮かべられること。
「今日も楽しく過ごしました」は赤が入りませんが、誰の役にも立ちません。
踏み込んで書いて、直されるほうが、力はついていきます。
よくある質問
Q. 毎回赤が入ります。向いていないのでしょうか。
A. 記録は教わって身につけるものです。
教わらないまま書かされている職場のほうが多いのが実際です。
新人研修がないときの動き方もあわせてどうぞ。
Q. 上司によって言うことが違います。
A. よくあります。
そのときは最終的に確認する人が誰かを先に決めてください。
多くの事業所では児発管(児童発達支援管理責任者。支援の計画をつくる責任者)が最終確認をします。
Q. 直された記録は、書き直して出すべきですか。
A. 事業所の運用によります。
すでに提出したものを修正する手順は決まっていることが多いので、勝手に消したり書き換えたりせず、確認してください。
Q. 赤を入れられると落ち込みます。
A. 落ち込むのは、まじめに書いた証拠です。
ただ、赤が入っているのはあなたではなく文章です。
ミスして怒られた夜の立ち直り方に、切り替え方をまとめました。
まとめ
この記事のポイント
- ① 直されるのは文章力ではなく型の問題。理由は6つに分かれます。
- ② いちばん多いのは事実と解釈が混ざっていること。次に量があいまい。
- ③ 赤が入った記録は、その事業所の基準そのもの。捨てずに残す。
- ④ 分からないときは「どう書けばよかったですか」と聞く。謝る場面ではありません。
- ⑤ 自分の指摘トップ3を手元に貼り、出す前にそこだけ見返す。
- ⑥ 赤が入らないことを目標にしない。踏み込んで書くほうが力はついていきます。

赤が入るのは、あなたの記録が読まれているということ。
読まれていない記録には、赤も入らない。
直された数だけ、書ける場面が増えていく。
今日のあなたに、はなまる。
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