保護者対応
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放デイで保護者から他の子のことを聞かれた…答えていい線と、感じよく断る言い方【現場目線】

他の子のことを聞かれたとき 感じよく断る言い方3つ
daichi

「うちの子とけんかした子って、どの子ですか」

「◯◯くんも、ここに通ってますよね」

お迎えの場でそう聞かれて、固まったことはないでしょうか。

答えないのは感じが悪い気がする。

でも、答えていい気もしない。

迷っているうちに、あいまいな返事をしてしまう。

検索して出てくるのは、クレーム対応の記事ばかりです。

この記事では、どこまで答えていいのかという線と、感じよく断る言い方を書きます。

先に結論

① 答えていいのはその保護者のお子さんのことと、活動の一般的な内容です。

② 答えないのはほかの子の名前・様子・家庭のこと、そして誰が通っているかそのもの。

③ 断るのは冷たさではありません。自分の子の情報も同じように守られている、という話です。

④ 言い方の型は受け止める → 線を伝える → 代わりに渡せるものを出す。

⑤ トラブルの相手について伝えるかどうかは、事業所が決めます。その場で判断しません。

わかば
わかば

だいち先生、お迎えのときに「うちの子とぶつかった子は誰ですか」と聞かれて…。
言えないと思いつつ、うまく返せませんでした。

だいち
だいち

あの質問は断り方を用意していないと、たいてい固まるやつだね。
線そのものは決まっているから、あとは言い方を用意しておけばいい。

聞かれるのは、だいたい3つの場面

実際に聞かれる内容は、そう多くありません。

よくある3つ

  • ① トラブルの相手 「けんかした子は誰か」「叩いたのはどの子か」。
  • ② 友だち関係 「うちの子は誰と遊んでいますか」「仲のいい子はいますか」。
  • ③ ほかの家庭のこと 「◯◯さんも通っていますよね」「あの子は何曜日ですか」。

①は心配から、②は安心したくて、③は世間話から出ることが多いです。

どれも悪意から聞かれているわけではありません。

知恵袋には、保護者の側からの相談も残っています。

保護者の側の声(要旨)

  • 職員が仕事で知った話を、外の集まりで別の保護者に話していた。事実と違う内容だったこともあり、個人情報の扱いとして問題ではないかと感じた。
  • 放デイに通っていることを、周りの子や保護者にどう説明するか迷っている。習い事の名前でぼかして答えることもある。

2件目が大事です。通っていること自体を、知られたくないと考えている家庭があります。だから「◯◯さんも通っていますよね」に相づちを打つだけでも、伝えたことになります。

答えていいこと・答えないこと

線は、その保護者のお子さんかどうかで引きます。

答えていいこと

  • その保護者のお子さんの、今日の様子
  • 活動の一般的な内容(何をしたか、どんな流れか)
  • 事業所の決まりや連絡の方法

その場で答えないこと

  • ほかの子の名前・様子・特性
  • ほかの家庭の事情(家庭の状況、通う理由など)
  • 誰が通っているか(曜日や在籍そのもの)
  • トラブルの相手が誰か

最後の1つは、伝えるかどうかを事業所として判断することがあります。

だから職員が個人で答えません。

国の放課後等デイサービスガイドラインにも、扱い方が書かれています。

ガイドラインの記述

「放課後等デイサービス事業者は、通所するこどもやその家族の個人情報を適切に取り扱わなければならない」

「職員等は、その職を辞した後も含めて、正当な理由がなく業務上知り得た秘密を漏らしてはならない」

職員に求められる倫理として「個人情報の取扱いとプライバシーの保護に関すること」が挙げられています。

辞めた後も含めて、と書かれています。

職場の外で話す場面にも、同じ線があります。

感じよく断る言い方

断ることと、冷たく突き放すことは別です。

型を3つに分けておくと、その場で言えます。

言い方の型

  • ① 受け止める 「心配ですよね」「気になりますよね」。まず質問の背景に触れます。
  • ② 線を伝える 「ほかのお子さんのことは、どのご家庭にもお伝えしない決まりになっています」。
  • ③ 代わりに渡せるものを出す 「◯◯さんの今日の様子でしたら、お伝えできます」。

③があると、断られた感じが残りにくくなります。

閉じるのではなく、渡せるほうへ向けます。

そのまま使える言い方

「ほかのお子さんのことは、どのご家庭にもお話ししないことになっています」

「逆に、◯◯さんのことも、ほかの方にはお伝えしていません」

「今日の◯◯さんの様子でしたら、お話しできます」

「そのお話は、事業所として確認してお返事します」

2つ目の言い方が効きます。

あなたの家の情報も同じように守っています、という意味になるからです。

わかば
わかば

「決まりなので」だけだと、冷たく聞こえそうで言えませんでした。

だいち
だいち

だから順番なんだ。
先に「心配ですよね」を置くと、同じ内容でも受け取り方が変わる。
それでも納得されない日はある。そのときは事業所に上げていい。

トラブルの相手を聞かれたとき

いちばん多いのがこの場面です。

お子さんがけがをした、嫌なことを言われた、という話のあとに聞かれます。

この場面でやること

  • ① お子さんの様子は伝える いつ、どの場面で、何があって、そのあとどうしたか。
  • ② 相手のことは伝えない 名前も、学年も、特性も出しません。
  • ③ その場で謝罪の範囲を決めない 「事業所として確認します」で止めます。
  • ④ その日のうちに管理者・児発管(児童発達支援管理責任者=支援の計画をつくる責任者)へ上げる

相手の家庭に伝えるかどうか、双方に説明するかどうかは、事業所が判断することです。

職員が板挟みで決める話ではありません。

ガイドラインには、苦情を受ける仕組みについても書かれています。

ガイドラインの記述

「設置者・管理者は、放課後等デイサービスに対するこどもや家族からの苦情(虐待に関する相談を含む。)について、迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口や苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員の設置、解決に向けた手順の整理等、迅速かつ適切に解決が図られる仕組みを構築することが必要である」

窓口があるということは、職員個人が引き受ける前提になっていないということです。

言われた言葉が頭から離れないときは保護者クレームがつらいときの記事も見てみてください。

うっかり話してしまったとき

「あの子も来てますよ」と言ってしまった。

名前は出していないけれど、分かる言い方をしてしまった。

そのときは、隠さないでください。

その日のうちにやること

  • ① 管理者に報告する 誰に、どの場面で、何を言ったか。
  • ② 記録に残す あとで別の話になったときに、事実が残っていることが自分を守ります。
  • ③ 次の言い方を決める 同じ質問がまた来ます。返す言葉を先に決めておきます。

報告は、責められるための手続きではありません。

事業所として対応するための情報です。

職員同士の話し方にも線があります

送迎の車内、休憩室、事業所の外。

子どもや家庭の話は、聞こうと思えば周りに聞こえます。

気をつける場面

  • 送迎車の中 乗っている子が聞いています。ほかの子の話はしません。
  • 玄関やロビー ほかの保護者が待っています。名前を出さずに話せる形にします。
  • 事業所の外 飲食店、地域の集まり、友人との会話。名前を出さなくても、地域では分かることがあります。
  • SNS 写真も、日付や場所が分かる投稿も避けます。

ガイドラインには、写真や氏名の掲載には保護者等の許諾が必要と書かれています。

よくある質問

Q. 「知り合いだから大丈夫」と言われました。

A. 相手が知り合いかどうかを、こちらは確かめられません。関係にかかわらず、同じ対応にしてください。

Q. けがをさせた側の保護者に、相手の名前を伝えないと謝れないと言われました。

A. お気持ちは分かりますが、伝えるかどうかは事業所の判断です。「確認してお返事します」で止めて、管理者に上げてください。

Q. すでにほかの職員が話してしまっているようです。

A. その職員を責める前に、管理者に共有してください。対応をそろえるのは事業所の役割です。

Q. 保護者同士がすでに知り合いで、話が広まっています。

A. 事業所として話せる範囲は変わりません。「こちらからはお話ししていません」と伝えて構いません。

Q. 断ったら、感じが悪いと思われませんか。

A. 「ほかの方にも同じようにしています」と一言添えると、線を守っている人として受け取られやすくなります。

まとめ

この記事のポイント

  • ① 線はその保護者のお子さんかどうかで引きます。
  • ② 名前だけでなく、誰が通っているかそのものも答えません。
  • ③ 言い方は受け止める → 線を伝える → 代わりに渡せるものを出す。
  • ④ 「◯◯さんのことも、ほかの方にはお伝えしていません」が効きます。
  • ⑤ トラブルの相手を伝えるかどうかは事業所の判断。その場で決めません。
  • ⑥ うっかり話したら、その日のうちに報告して記録に残します。
だいち
だいち

答えていいのか迷ったのは、その家庭のことも大事にしたかったからだ。
迷ったら「確認してお返事します」でいい。
線を引くことは、目の前の人を突き放すことではない。
今日のあなたに、はなまる。

出典

こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(PDF)

※個人情報の取り扱いは事業所ごとに規程があります。実際の対応は勤務先の決まりに従ってください。

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