モニタリングで職員は何を聞かれる?「元気です」の先に渡す3つの材料と、日ごろのメモの持ち方【放デイ職員向け】
「〇〇くん、最近どうですか」。
児発管に聞かれて、口から出たのは「元気です」。
毎日見ているのに、何を言えばいいのか出てこない。
この記事では、モニタリングで職員が渡す材料と、日ごろからの持ち方をまとめます。
先に結論
① モニタリングは「できた・できなかった」の評価ではありません。ガイドラインにそう書かれています。
② 評価するのは児発管の役割。職員は材料を渡す側です。
③ 渡す材料は3つ。できた場面/こちらが変えた条件/まだ困っている場面。
④ 聞かれてから思い出さない。週1回、1行だけメモしておきます。
⑤ モニタリングは概ね6か月に1回以上。変化があれば、待たずに行うものです。

だいち先生、モニタリングの前に児発管から様子を聞かれて、「元気です」しか言えませんでした。

それは、評価しようとしているから言葉が出ないんだ。
職員が渡すのは評価じゃなくて、見た場面だよ。
モニタリングとは何か
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「放課後等デイサービス計画は、概ね6か月に1回以上モニタリングを行うことになっているが、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要がある」
「モニタリングは、目標達成度を評価して支援の効果を測定していくためのものであり、単に達成しているか達成していないかを評価するものではなく、提供した支援の客観的評価を行い、放課後等デイサービス計画の見直しの必要性を判断する」
見ているのは、子どもが目標に届いたかどうかだけではありません。
こちらの支援が合っていたかも、同じくらい見られています。
職員は「評価する人」ではなく「材料を渡す人」
ガイドラインの記述
児童発達支援管理責任者は「放課後等デイサービス計画を作成し、すべての職員が放課後等デイサービス計画に基づいた支援を行っていけるように調整する。また、提供される支援のプロセスを管理し、客観的な評価等を行う役割がある」
評価をまとめるのは児発管です。
職員が持っているのは、毎日の場面です。
この2つがそろって、はじめて計画の見直しができます。

評価しなくていいと聞いて、少し楽になりました。

評価は要らないけど、場面は要る。
児発管は毎日現場にいるとは限らない。
その日そこにいた人にしか、渡せないものがあるんだ。
渡す材料は3つ
① できた場面
- 目標に近い動きが見えた場面を、日付と活動名つきで。
- 「できるようになった」ではなく「〇日の工作で、自分から道具を取りに行った」。
- 一度だけでも構いません。回数が分かればなおいいです。
② こちらが変えた条件
- 声のかけ方、座る場所、人数、道具、予告の仕方。
- 「変えたら、こうだった」をセットで。
- ここがいちばん計画の見直しに使われます。支援の中身の話だからです。
③ まだ困っている場面
- うまくいっていない場面も、そのまま渡します。
- 「できない」ではなく「〇〇の場面では、まだ手が止まる」。
- 悪い報告ではなく、次の目標を決める材料です。
場面の書き方の型は支援記録の例文100選にまとめています。
聞かれたときの答え方
言い換えの例
- ✕「元気です」→ ◯「今月は宿題の時間に、自分から席に着いた日が3回ありました」
- ✕「落ち着いてきました」→ ◯「予定を朝のうちに見せるようにしてから、切り替えで崩れる場面が減っています」
- ✕「友だちとうまくやれていません」→ ◯「ボール遊びの順番の場面で、まだ手が出ることがあります。2人チームにした日は出ませんでした」
「どう見えたか」ではなく「何があったか」。
形容詞を場面に置き換えるだけで伝わり方が変わります。
聞かれてから思い出さない
6か月前のことを思い出すのは、誰にとっても難しいことです。
材料は、日ごろのメモから出てきます。
負担の少ない持ち方
- その子の短期目標を1行で持っておく 計画の目標を、自分の言葉で1行に縮めます。
- 週1回、1行だけ書く 毎日でなくて構いません。「今週いちばん目標に近かった場面」。
- 変えた条件だけは、その日に書く あとで思い出しにくいのは、こちらが何を変えたかのほうです。
- 支援記録に紛れさせない 日々の記録とは別に、その子の欄を作っておくと探しやすくなります。
計画の目標の読み方は個別支援計画の読み方に書いています。
毎日の記録を時間内に終わらせる工夫はこの記事にあります。
職員同士の共有も、材料になる
ガイドラインの記述
「支援の提供に関する日々の記録については、支援の質の向上の観点から、児童発達支援管理責任者が把握する以外に、職員同士で情報共有を図ることも有用である」
事業所の自己評価表にも「支援終了後には、職員間で必ず打合せを行い、その日行われた支援の振り返りを行い、気付いた点等を共有しているか」という項目があります。
終わりの打ち合わせで出た一言は、そのままモニタリングの材料になります。
自分が見ていない日の場面は、ほかの職員が持っています。
会議に呼ばれたら
担当者会議に、現場の職員が呼ばれることがあります。
ガイドラインの記述
担当者会議について「事業所の設置者・管理者は、児童発達支援管理責任者や職員のうち、こどもの状況をよく理解した者を参画させなければならない」
呼ばれたのは、その子の場面を知っているからです。
話すことは、上の3つの材料で十分です。
計画作成やモニタリングを丸ごと任されたとき
知恵袋に、入社して間もない児童指導員からこんな相談がありました。
事業所では児童指導員や保育士が担当児を持ち、個別支援計画の作成やモニタリング、保護者面談まで行っている。
計画は児発管が作るものだと思っていたが、これで問題ないのか、という内容です。
ガイドラインでは、計画の作成と客観的な評価は児発管の役割とされています。
職員が材料を集めたり、下書きに関わったりする形はありえます。
ただ、丸ごと任されて不安なら、次のように確認して構いません。
確認していいこと
- 「最終的に内容を確認するのは、どなたですか」
- 「保護者への説明は、児発管も同席しますか」
- 「自分が書いたものは、どこまでが下書きの扱いですか」
言いにくい確認の出し方はこの記事にまとめています。
よくある質問
Q. 担当の子を毎日見ているわけではありません。
A. 見た日の場面だけで構いません。ほかの職員のメモや打ち合わせの内容と合わせれば足ります。
Q. 目標に近い場面が1つも思い浮かびません。
A. それ自体が材料です。「目標に関わる場面が、活動の中にほとんどない」は、計画か活動のどちらかを見直す理由になります。
Q. 保護者との面談で、モニタリングの結果を聞かれました。
A. 結果の説明は児発管が行うものです。自分が見た場面は話して構いませんが、評価の言葉は使いません。
面談で職員が話すことはこの記事にあります。
Q. 計画の目標が、半年たっても同じままです。
A. ガイドラインには「支援目標や支援内容の記載が長期にわたり同一であることは想定されない」とあります。変えた条件と場面を渡すことが、見直しのきっかけになります。
まとめ
この記事のポイント
- ① モニタリングは「できた・できなかった」だけを見るものではありません。
- ② 評価は児発管。職員は材料を渡す側です。
- ③ 材料はできた場面・変えた条件・まだ困っている場面の3つ。
- ④ 週1回・1行のメモと、変えた条件はその日に。
- ⑤ 形容詞ではなく、場面で渡します。

「元気です」しか出てこなかったのは、毎日を丸ごと見ているからだ。
丸ごとは渡せない。だから1行に切り出しておく。
その1行が、その子の次の半年の計画になるんだよ。
今日のあなたに、はなまる。
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