放デイで子どもが物を持ち帰る・ほかの子の物を取るとき|問い詰めない対応と、起きにくくする仕組み【職員向け】
帰りの準備をしていたら、事業所のおもちゃが子どものかばんに入っていた。
別の日には、ほかの子の消しゴムがなくなって、ある子のポケットから出てきた。
叱るべきなのか。
保護者に伝えるべきなのか。
「盗んだ」と言っていいのか。
この記事では、放デイで子どもが物を持ち帰ったり、ほかの子の物を取ったりしたときの職員の動き方をまとめます。
先に結論
① 人前で問い詰めない。「盗んだ」という言葉も使いません。
② まずは物を元に戻すことを、その子と一緒にやります。
③ 持ち帰りが起きにくいように、置き場所と持ち物の仕組みを見直します。
④ 保護者には事実を短く、事業所として伝えます。
⑤ 繰り返すときは、いつ・何を・どんな場面でを記録して相談します。

だいち先生、ある子のかばんから事業所のミニカーが出てきて……。
その場で「なんで持ってるの!」って言っちゃいました。

びっくりしたよね。
でも、「悪いことをした子」として扱う前に、少し立ち止まってみよう。
持ち帰る理由は、子どもによっていろいろあるんだ。
持ち帰る理由は、ひとつではない
考えられる理由の例
- 気に入って手放せなかった 「もっと遊びたい」がそのまま行動に出た。
- 自分の物と他人の物の区別があいまい 事業所の物と家の物の線が分かりにくい。
- 気づかずに入った 片づけのときにかばんに紛れた。
- 関わりを求めている 持ち帰ることで、大人の反応を引き出している。
理由は、その場で決めつけずに、あとで記録を見ながら職員で考えます。
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「こどもの特性に合わない環境や不適切な働きかけにより二次障害が生じる場合があることを理解した上で支援を提供するとともに、こどもの支援に当たっては、こども自身が内在的に持つ力を発揮できるよう、エンパワメントを前提とした支援をすることが重要である。」
強く責めたり、人前で問い詰めたりすると、子どもが隠すことを覚えたり、自信をなくしたりすることがあります。
だからこそ、責めるより、戻し方を一緒にやることを先にします。
① その場の動き方
見つけたときは
- 人前で問い詰めない ほかの子がいないところで、落ち着いて話します。
- 事実だけを言う 「これ、事業所のミニカーだね」。
- 一緒に戻す 「ここに戻そうね」と、元の場所に一緒に置きます。
- 戻せたら返す 「戻してくれてありがとう」で終えます。
「盗んだ」「どろぼう」という言葉は使いません。
その子に貼られたラベルが、ほかの子にも広がってしまいます。

「なんで取ったの?」って聞いちゃいけないんですか。

聞いても、理由をうまく言葉にできない子もいるんだ。
問い詰めるほど、うそで逃げようとすることもある。
その場では、戻すことに集中すればいいよ。
② ほかの子の物だったとき
持ち主の子への対応
- 持ち主の子には、「見つかったよ」と返します。
- 誰が持っていたかは、その場で大きく言いません。
- 持ち主の子が怒っているときは、気持ちを受け止めて、職員が間に入ります。
③ 持ち帰りが起きにくい仕組み
見直せること
- 帰りの準備を職員と一緒に かばんに入れる物を、一緒に確認する時間を作ります。
- 事業所の物に目印 シールや名前で、事業所の物だと分かるようにします。
- お気に入りの物の約束 「また明日遊べるように、ここに置いておこうね」と、置き場所を決めます。
- 持ってくる物のルール 家からのおもちゃの持ち込みを、事業所で決めておきます。
④ 保護者への伝え方
伝えるかどうか、どう伝えるかは、管理者や児発管と相談して事業所として決めます。
伝えるときのポイント
- 子どもの前で大きく話さない。
- 事実を短く。「今日、事業所のおもちゃがかばんに入っていたので、一緒に戻しました」
- 責める言い方にしない。「気に入って手放せなかったようです」など、見えたことを添えます。
- 家で見つけたら事業所に知らせてほしい、とお願いします。
保護者への伝え方の型はケガをした日の保護者への伝え方とも共通です。
⑤ 繰り返すときは
記録に残すこと
- いつ(来所直後、帰りの準備中など)。
- 何を(おもちゃ、文房具、ほかの子の物)。
- 直前に何があったか(遊びが途中で終わった、など)。
記録がたまると、場面の傾向が見えてきます。
児発管に相談して、支援の中で考えてもらいます。
よくある質問
Q. お金や高価な物だったときは?
A. 一人で対応せず、すぐに管理者に伝えて、事業所として対応を決めます。
Q. ほかの子が「〇〇くんが取った」と言いふらしています。
A. 「もう戻ってきたから大丈夫だよ」と短く返して、話を広げません。
Q. 本人は「自分のだ」と言い張ります。
A. その場で言い合いにせず、「じゃあ一緒に確かめよう」と、名前や目印を一緒に見ます。
まとめ
この記事のポイント
- ① 人前で問い詰めない。「盗んだ」と言わない。
- ② まず一緒に戻す。
- ③ 置き場所と持ち物の仕組みを見直す。
- ④ 保護者には事業所として、事実を短く。
- ⑤ 繰り返すなら記録して相談。

物がなくなると、大人もあわてる。
それでも、その子を責める前に立ち止まろうとしている。
子どもの味方でいようとするあなたに、はなまる。
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