放デイで音が苦手な子(聴覚過敏)への工夫|道具の前にできる5つ【職員向け】
活動が盛り上がると、耳をふさいでうずくまる子がいる。
掃除機の音、ドライヤーの音、ほかの子の大きな声。
「うるさい」と言って部屋を出ていってしまう。
何をしてあげられるのか。
この記事では、音が苦手な子(聴覚過敏)への環境の工夫を、道具より先にできることから順にまとめます。
先に結論
① まず音そのものを減らせないかを考えます。
② 音から離れられる場所を用意します。
③ 苦手な音は子どもによって違います。何が苦手かを記録します。
④ 予測できる音は先に知らせます。
⑤ イヤーマフなどの道具は、本人が選べる形で。

だいち先生、大きな音が苦手な子がいて……。
活動中に耳をふさいでしまうんです。

つらそうだよね。
まず考えたいのは、その音、減らせないかな?ってこと。
道具を使うのは、環境を整えたあとでいいんだ。
感覚の特性に配慮する
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「発達障害のあるこどもに対しては、予定等の見通しをわかりやすくすることや、感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)に留意し、安心できる環境づくりが必要である。」
「こどもが生活する空間については(中略)静かな遊びのできる空間(中略)こどもが体調の悪い時等に休息できる静養空間(中略)を工夫して確保することが必要である。」
音が苦手な子への支援は、我慢させることではなく環境を整えることから始まります。
① 音そのものを減らす
事業所でできる工夫
- 音楽やテレビの音量を下げる、時間を区切る。
- 机や椅子の脚にカバーをつけて、引きずる音を減らす。
- 掃除機や換気扇は、子どもがいない時間に使う。
- 職員が大きな声で全体に呼びかけるのをやめ、合図を使う。
職員の声も、音の一つです。声を張らない工夫は、子どもにも職員にもやさしくなります。
② 音から離れられる場所を作る
逃げ場の作り方
- 静かに過ごせる部屋やコーナーを決めます。
- ついたてやマットで区切るだけでも、音の感じ方が変わることがあります。
- 「つらくなったらここに行っていい」と、あらかじめ伝えておきます。
落ち着ける場所の作り方はクールダウンの場所に書いています。
③ 何が苦手かを記録する
記録すること
- どんな音のときに耳をふさいだか(大きさ・種類・高さ)。
- その前後の様子(疲れていたか、人が多かったか)。
- どうすると落ち着いたか。
同じ「音が苦手」でも、苦手な音は子どもによって違います。
記録がたまると、避けられる場面が見えてきます。
④ 予測できる音は先に知らせる
先に知らせる例
- 「これから音楽をかけるよ」
- 「そうじきを使うから、少しうるさくなるよ」
- 「体育館は声が響くよ」
心の準備ができると、同じ音でも受け取り方が変わることがあります。
⑤ 道具は本人が選べる形で
環境を整えてもつらいときに、イヤーマフなどの道具が助けになることがあります。
大事なのは、本人が使うかどうかを選べることです。
道具を使うときの約束
- 無理につけることはしません。
- 「つらいときに使っていい物」として、置き場所を決めます。
- 使っていることをからかわれないよう、ほかの子にも説明しておきます(本人が嫌がらない範囲で)。
- 本人のものか事業所のものか、衛生面の扱いを事業所で決めます。
子ども用のイヤーマフには、こうしたものがあります。
※Amazonのアソシエイトとして、支援員のミカタは適格販売により収入を得ています。
サイズや締めつけの強さは子どもによって合う・合わないがあります。
購入は事業所と相談し、本人が試せる形にします。
よくある質問
Q. イヤーマフをつけると、声かけが届かなくなりませんか。
A. そばに行って、目を合わせてから伝えます。カードや身ぶりを使う方法もあります。
Q. 学校でも使えますか。
A. 学校での使用は、保護者と学校が相談して決めることです。放デイから直接学校に頼むことはしません。
Q. ほかの子が「ずるい」と言います。
A. 「必要なものが違う」という伝え方をします。
まとめ
この記事のポイント
- ① まず音を減らす。
- ② 離れられる場所を作る。
- ③ 何が苦手かを記録する。
- ④ 予測できる音は先に知らせる。
- ⑤ 道具は本人が選べる形で。

耳をふさぐ姿を見て、「どうにかしたい」と考えている。
その視点が、その子にとって過ごしやすい場所を作っていくんだ。
今日もよく見ていたあなたに、はなまる。
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