放デイで子どもがうそをつくとき|問い詰めずに「本当のことを言える関係」を作る関わり方【職員向け】
「ぼくじゃない」。
目の前で見ていたのに、子どもがはっきりそう言った。
「宿題、学校で全部やった」と言っていたのに、連絡帳を見ると違っていた。
うそを見逃していいのか。
問い詰めて認めてもらうべきなのか。
この記事では、放デイで子どもがうそをついたときの職員の関わり方をまとめます。
先に結論
① うそを暴くことより、何があったかを確かめることを先にします。
② 問い詰めるほど、うそは守りに入りやすくなります。
③ 正直に言えたときに、言ってよかったと思える返し方をします。
④ うその背景(怒られたくない、注目がほしい、など)を記録から考えます。
⑤ 保護者に伝えるかどうかは、事業所として決めます。

だいち先生、ある子が、見ていたのに「やってない」って言うんです。
うそをついたことを認めてもらったほうがいいんでしょうか。

見ていたのに否定されると、もやもやするよね。
でも、「認めてもらう」を目標にすると、お互いに引けなくなることが多いんだ。
別のゴールを考えてみよう。
子どもがうそをつくとき、背景にあるもの
考えられる背景
- 怒られたくない 前に強く叱られた経験があると、とっさに否定が出ることがあります。
- 自分でもよく分かっていない 何が起きたかを、言葉でうまく整理できていないことがあります。
- 注目がほしい 大人の反応を引き出すための話になっていることもあります。
- こうだったらいいな 願いと事実の区別があいまいになっていることがあります。
どれに当たるかは、その場で決めつけず、記録を見ながら職員で考えます。
国の放課後等デイサービスガイドラインには、支援の目的について、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「様々な遊びや多様な体験活動の機会を提供することを通じて、こどもの自尊心や主体性を育てつつ、発達上のニーズに合わせて、こどもの育ちの充実を図ること。」
うそを責め立てることで、子どもの自尊心が傷つくことがあります。
ゴールは「うそを認めてもらうこと」ではなく、本当のことを言っても大丈夫な関係を作ることです。
① その場での関わり方
うそに気づいたとき
- 問い詰めない 「うそでしょ」「本当のことを言いなさい」は使いません。
- 事実を短く伝える 「〇〇くんのブロックが倒れたね」と、起きたことだけを言います。
- 次にどうするかを話す 「一緒に直そうか」と、やることに話を移します。
- 人前で扱わない ほかの子がいる前で、うそを指摘しません。
認めるかどうかより、起きたことをどう片づけるかに気持ちを向けます。

でも、うそをそのままにしたら、また繰り返しませんか。

そのままにするんじゃなくて、うそをつかなくても困らない流れを作るんだ。
言っても怒られない、一緒に直せばいい。
それが分かると、正直に言える場面が少しずつ増えていくことがあるよ。
② 正直に言えたときの返し方
正直に言えたときは
- 「教えてくれてありがとう」と、言えたことに先に返します。
- そのあとで、「じゃあ、どうしようか」と一緒に考えます。
- 言えたあとに強く叱ることはしません。叱られるなら、次は言いにくくなります。
③ 宿題や約束のうそ
「宿題は終わった」「家で言われた」など、確かめられるうそもあります。
確かめられるときは
- 連絡帳や保護者との連絡で、事実を確かめます。
- 子どもには「確かめてみたら、まだだったね。今からやろうか」と、責めずに次に進みます。
- できていなかった理由(分からない、やりたくない)を、あとで聞きます。
宿題をやらない子への関わりは宿題をやらない子にまとめています。
④ ほかの子とのトラブルでのうそ
ほかの子とのトラブルで、「あっちがやった」と言い合いになることもあります。
言い合いになったら
- どちらが本当かを、その場で決めようとしません。
- 「〇〇くんはこう思ったんだね」「△△さんはこう思ったんだね」と、それぞれの話を聞きます。
- けががないか、次にどうするかを先に決めます。
けんかの間の入り方はけんかの仲裁に書いています。
⑤ 繰り返すとき・保護者に伝えるとき
記録と相談
- どんな場面で、どんなうそが出たかを記録します。
- 怒られそうな場面、注目がほしそうな場面など、傾向を児発管と一緒に見ます。
- 保護者に伝えるかどうかは、事業所として決めます。伝えるときは、責める言い方にしません。
よくある質問
Q. 明らかなうそを、ほかの子の前で言い張ります。
A. その場で言い合いにせず、「あとで話そうね」と区切ります。場所を変えてから、起きたことを短く確かめます。
Q. うそで、ほかの子が責められてしまいました。
A. 責められた子の気持ちを先に受け止めます。職員が「そういうことじゃなかったみたい」と間に入り、その子が悪者にならないようにします。
Q. 家庭のことで、心配なうそを言っています。
A. 一人で判断せず、聞いたことをそのまま記録して、すぐに管理者や児発管に伝えます。
まとめ
この記事のポイント
- ① うそを暴くより何があったかを確かめる。
- ② 問い詰めると守りに入る。
- ③ 正直に言えたらありがとうを先に。
- ④ うその背景を記録から考える。
- ⑤ 保護者に伝えるかは事業所として。

うそをつかれると、大人も傷つく。
それでも、その子が本当のことを言える場所を作ろうとしている。
子どもと向き合い続けるあなたに、はなまる。
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