保護者対応
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放デイの送迎で保護者と何を話す?30秒で終わる型と、立ち話でしてはいけない話【職員向け】

daichi

玄関で、保護者と目が合う。

「今日はどうでしたか?」

——頭が真っ白になる。

「えっと…楽しそうでした」で終わってしまう。

帰り道、あれでよかったのかと考える。

かといって、余計なことを言って気まずくなるのも怖い。

検索して出てくるのは、保育園と高齢者デイの記事ばかりです。

この記事は、放デイの送迎の30秒について書きます。

先に結論

① 長く話す必要はありません。30秒で足ります。

② 型は2つだけ=「今日は◯◯をしました」+「よかったこと1つ」。

③ 悪い話は立ち話でしません。国のガイドラインでも、大事なことは事前に決めた連絡体制で伝えることになっています。

④ 答えられないことは「確認してお返事します」で構いません。

⑤ 職員の保護者対応は、管理者が把握・管理するものです。1人で抱えなくて大丈夫です。

わかば
わかば

だいち先生、送迎のとき何を話せばいいか分からなくて…。
毎回「楽しそうでした」しか言えてないです。

だいち
だいち

あの時間を報告会だと思ってない?
違うんだ。あそこは関係をつくる時間。
だから、うまく報告できなくていい。

送迎の30秒は、何のための時間か

ここを取り違えると、ずっと苦しくなります。

国のガイドラインには、こう書かれています。

ガイドラインの記述

「職員は、家族が相談しやすいような関係性や雰囲気をつくっていくことが必要である」

「そのためには、日頃から家族と意思疎通を図りながら、信頼関係を構築していくことが重要である」

日頃の意思疎通と書かれています。

送迎の30秒は、まさにここに当たります。

目的は、報告の正確さではありません。

「話しかけていい人だ」と思ってもらうことです。

だから、内容が薄くても構いません。

30秒の型

覚えるのは2つだけです。

この順で言えば終わります

  • ① 今日やったこと 事実をひとつ。「今日は新聞紙を使った活動をしました」
  • ② よかったこと ひとつだけ。「最後まで一緒にいました」
  • ③ しめの一言 「また明日お待ちしています」

②はひとつだけにしてください。3つ言うと、言えなかった日との差が出ます。毎日ひとつなら続きます。

そのまま使える例

「今日はボール遊びをしました。順番を待って並んでいました。また明日お待ちしています」

「今日は新聞紙の活動でした。細くちぎるのを最後までやっていました」

「今日は室内で過ごしました。おやつのあと、自分から片づけていました」

「今日は少し疲れている様子でしたが、最後まで一緒に過ごしました」

どれも15秒くらいです。

これで足ります。

わかば
わかば

こんなに短くていいんですか。

だいち
だいち

むしろ長いほうが困ることがある。
保護者も帰りを急いでいるし、他の家族も待っている。
短くて毎日あるのが、いちばん効くんだ。

よかったことが思いつかない日

崩れた日もあります。

何も「できた」ことがない日もあります。

そういう日は、「できた」を探すのをやめてください。

代わりに、やっていたことを言います。

できたことが無い日の言い方

  • 「今日はブロックのところにいました」
  • 「今日はみんなの様子を見ていました」
  • 「今日は静かに過ごしていました」
  • 「今日はゆっくりめでした。無理せず過ごしました」

評価をしていません。見たことをそのまま言っているだけです。これは記録の書き方と同じ考え方です。

記録の言い方をまとめて見たい方は支援記録の例文100選にも場面別の例があります。

悪い話は、立ち話でしません

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

ケガ、トラブル、他の子とのぶつかり合い。

こうした話を、玄関先で立ったまま伝えないでください。

ガイドラインの書き方が、その理由になります。

ガイドラインの記述

「支援の内容、人員体制(資格等)、利用者負担、苦情解決の手順、緊急時の連絡体制等の重要事項については文書化の上、対面で説明する」

「設置者・管理者は、事業所内でのトラブルやこどもの病気・事故の際の連絡体制について、事前に保護者と調整し、その内容について職員間で周知徹底しておく必要がある」

大事なことは、あらかじめ決めた形で伝えることになっています。

その場の思いつきで伝えるものではありません。

立ち話が向いていない理由

  • 他の保護者やこどもが近くにいます 個人のことを話す場所ではありません。
  • 時間が足りません 途中で切れると、いちばん誤解を生みます。
  • 記録が残りません 言った・言わないになります。
  • あなたが1人で判断することになります 伝え方を決めるのは、本来は事業所です。

その場で言えないときの言い方

「今日ひとつお伝えしたいことがあります。あとでお電話してもよろしいですか。」

これだけで足ります。中身をその場で言う必要はありません。

そしてその場で管理者に伝えてください。誰が、いつ、どう連絡するかを決めるのは事業所です。

わかば
わかば

「あとで電話します」って、余計に不安にさせませんか…。

だいち
だいち

不安にはなると思う。
でも、玄関先で中途半端に聞かされるほうが不安なんだ。
それに「ちゃんと伝えようとしてくれている」は伝わる。

踏みやすい地雷

悪気なく言ってしまいがちなものを並べます。

どれも、言った側は良かれと思っているものです。

送迎で言わないほうがいいこと

  • 他の子の名前を出す 「◯◯くんと遊んでいました」。よその家庭の情報です。「お友だちと」で足ります。
  • できるようになりましたね 評価に聞こえます。家庭では前からできていた、ということもあります。「◯◯していました」で止めます。
  • お母さん、と決めつけて呼ぶ 迎えに来るのが誰かは家庭によって違います。名字でお呼びするほうが安全です。
  • 特性や診断に踏み込む 「やっぱり切り替えが苦手ですね」など。職員が診断のような言い方をしません。
  • 家庭のことを聞く 「お家ではどうですか」は、責められていると受け取られることがあります。聞くなら面談の場で。
  • 前の職員から聞いた話を出す 伝聞は正確さが落ちます。自分が見ていないことは言いません。

6つに共通しているのは、その場の30秒で扱う話ではないということです。

関係が深まってから、面談の場で話せばよいものばかりです。

伝え方そのものへの配慮

ガイドラインには、聴こえない又は聴こえにくいこどもや保護者の場合、どのような方法による説明を希望するか確認の上、丁寧に対応することが求められると書かれています。

口頭が前提ではありません。紙に書く、連絡帳を使うという選び方も、同じ「伝える」です。

答えられないことを聞かれたら

聞かれて困る質問は、だいたい3種類です。

この3つは、その場で答えません

  • 他の子のこと 「◯◯くんとは仲良くしていますか」など。他のご家庭の話は、こちらからしません。
  • 制度やお金のこと 利用料、加算、受給者証の話。管理者の担当です。
  • 見ていない場面のこと 自分が担当していなかった時間帯のことは、推測で答えません。

どれも「確認してお返事します」で構いません。

分からないことを分かっているように答えるほうが、あとで困ります。

職員1人で抱えるものではありません

最後に、知っておいてほしいことがあります。

ガイドラインの記述

「設置者・管理者は、職員が行う保護者への連絡や支援について、随時報告を受けることや記録の確認等により、把握・管理することが必要である」

職員の保護者対応は、管理者が把握するものと書かれています。

つまり、報告するのが正しい形です。

「こんなことを言われました」と上げるのは、告げ口でも力不足でもありません。

言われた言葉が頭から離れないときは保護者クレームがつらいときの記事も見てみてください。

よくある質問

Q. 保護者が話しかけてこない場合は、こちらから話しかけますか。

A. 一言で構いません。「今日は◯◯をしました」だけでも、日頃の意思疎通になります。返事が短くても気にしないでください。

Q. 毎日同じことしか言えません。

A. それで問題ありません。毎日同じ形で短く続くほうが、たまに長く話すより関係は積み上がります。

Q. 「うちの子、他の子に迷惑かけていませんか」と聞かれます。

A. 他の子の話は出さずに、その子の様子で答えます。「今日は◯◯をして過ごしていました」で足ります。踏み込んだ話が必要なら、面談の場を提案してください。

Q. 送迎車の中で保護者と話すことがあります。

A. 車内は密室になりやすい場所です。ガイドラインでも、管理者は密室化した場所を極力作らないこととされています。立ち入った話は車内でしないほうが安全です。

Q. 送迎の時間が短くて、話す余裕がありません。

A. 無理に話さなくて大丈夫です。挨拶だけの日があっても構いません。連絡帳で伝える方法もあります。

連絡帳の書き方は【例文100】連絡帳の書き方にまとめています。

まとめ

この記事のポイント

  • ① 送迎の30秒は報告会ではなく、関係をつくる時間です。
  • ② 型は「今日は◯◯をしました」+「よかったこと1つ」。15秒で足ります。
  • ③ よかったことが無い日は、やっていたことを言います。評価は要りません。
  • ④ 悪い話は立ち話でしません。「あとでお電話しても」で切って、管理者に上げます。
  • ⑤ 他の子のこと・お金のこと・見ていない場面は、その場で答えません。
  • ⑥ 保護者対応は管理者が把握するもの。1人で抱えなくて大丈夫です。
だいち
だいち

何を話せばいいか迷うのは、ちゃんと届けたいと思っているからだ。
どうでもいい人は、迷わずに「楽しそうでした」で終わる。
15秒でいい。それが毎日あることのほうが、ずっと効く。
今日のあなたに、はなまる。

出典

こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(PDF)

※連絡の手順や送迎時の対応は事業所ごとに決められています。実際の運用は勤務先の決まりに従ってください。

言葉が出てこない日のために

▶ 【例文100】連絡帳の書き方 送迎で言えなかったことを、連絡帳で伝える形にできます。

▶ 保護者に他の子のことを聞かれたら 答えない理由と、角を立てない返し方です。

▶ 子どものできないことを保護者にどう伝える? 条件で言いかえる型と、伝える前に決める3つです。

▶ 保護者からの電話を取ったら? メモ→復唱→記録の3手順と、その場で答えなくていい線を書いています。

▶ 送迎を1人で任されたら? 添乗なしで運転するときに決めておく5つを書いています。

▶ 放デイ職員の悩み まとめ 6つに分けて、いまのしんどさから読める地図です。

▶ 支援員のミカタの公式LINE 「こんな場面で困った」を送ってもらえれば、記事にすることがあります。

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