放デイで保護者からの電話を取ったら?メモ→復唱→記録の3手順と、その場で答えなくていい電話【職員向け】
おやつの時間、部屋がにぎやかなところで電話が鳴る。
近くにいたのは自分だけ。
受話器を取ると、保護者の方からだった。
「今日のお迎え、少し遅れます」と言われた気がする。
何時と言っていたか、切ったあとに思い出せない。
この記事では、事業所の電話を取る職員がその場で何を聞き、何を残せばいいかを、手順の順番にまとめます。
先に結論
① 電話はメモ → 復唱 → 記録の3手順で受けます。
② その場で答えられないことは、「確認して折り返します」で切ってかまいません。
③ 聞くことは決まっています。誰から・誰のこと・用件・期限・折り返し先。
④ 子どもの様子を話す前に、相手が誰かを確かめます。
⑤ 受けた電話は、伝言メモと記録に残して、担当に渡します。

だいち先生、事業所の電話を取るのが怖くて…。
何を聞かれるか分からないし、聞き漏らしたらどうしようって。

電話が怖いのは、聞くことが決まっていないからだよ。
聞く順番と、残す紙が決まっていれば、あとは埋めるだけになる。
電話は「メモ → 復唱 → 記録」
電話で起きやすいのは、聞き漏らしと、あとで「言った・言わない」になることです。
防ぐための手順は3つです。
受けるときの3手順
- ① メモ 受話器を取る前に、ペンと伝言メモを手元に置きます。聞きながら、単語だけ書きます。
- ② 復唱 切る前に、書いたことを読み上げます。「〇〇さんのお迎えが、今日17時半に変更、でよろしいですか」
- ③ 記録 切ったらすぐ、伝言メモを担当に渡し、事業所の記録にも残します。
復唱は、相手のためだけではありません。
自分の聞き間違いに、電話がつながっているうちに気づけるようにするための手順です。
知恵袋には、学童でアルバイトをしている人が、にぎやかなおやつの時間に初めて電話を受け、ほかの先生に話しかけられて混乱し、気づいたら受話器を置いてしまっていた、という声がありました。
手順が決まっていないと、こういうことは起きます。
だから、慣れより先に手順と紙を用意します。
▶ 電話の横に置いておくものの例
伝言メモ用の付箋と、書き出しの軽いペンがあると、受話器を取ってすぐ書けます。
※Amazonのアソシエイトとして、支援員のミカタは適格販売により収入を得ています。
電話で聞くこと
用件が何であっても、聞くことはほぼ同じです。
伝言メモに書く項目
- 受けた日時 「9月28日 15時10分」
- 誰から お名前と、どの子の保護者か(続柄)
- 誰のこと・誰あて 子どもの名前、伝えてほしい職員
- 用件 欠席、お迎え時間の変更、持ち物、体調、相談など
- 期限 「今日の送迎まで」「明日の朝までに」
- 折り返し先 電話番号と、つながりやすい時間
- 受けた人 自分の名前
聞きそびれたら、「念のため、お名前をもう一度伺ってもよろしいですか」と聞き直してかまいません。
聞き取ったことを記録に書く言い方は支援記録の例文100選が参考になります。
電話の種類ごとに、その場でやること
用件によって、その場で済ませていいことと、上げることが分かれます。
| 電話の用件 | その場でやること | 上げる先 |
|---|---|---|
| 欠席・お休み | 子どもの名前・日付・理由(言われた範囲で)を復唱 | 送迎担当・記録 |
| お迎え時間や送迎の変更 | 変更後の時間と場所を復唱。送迎表とずれていないか確認 | 送迎担当(すぐ) |
| 体調やけがについての問い合わせ | その場で答えず、確認して折り返すと伝える | 児発管・管理者(すぐ) |
| 支援や職員への不満・要望 | さえぎらずにメモ。約束はしない | 苦情受付の担当者・管理者 |
| 学校や相談支援専門員など | 所属・名前・用件・折り返し先 | 児発管 |
| 名乗らない・相手が分からない | 子どもの情報は話さない。名前と折り返し先を聞く | 管理者 |
※上げる先の呼び方や順番は、事業所で決まっています。
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「事業所内でのトラブルやこどもの病気・事故の際の連絡体制について、事前に保護者と調整し、その内容について職員間で周知徹底しておく必要がある」
「設置者・管理者は、職員が行う保護者への連絡や支援について、随時報告を受けることや記録の確認等により、把握・管理することが必要である」
電話を受けたことを報告し、記録に残すのは、事業所の仕組みの一部です。
自分1人で抱える必要はありません。
その場で答えなくていい
電話では、相手の顔が見えないぶん、すぐに答えを返さないといけない気がします。
でも、その場で答えてはいけない電話もあります。
「確認して折り返します」で返すもの
- けがや体調のこと 見ていない職員が答えると、事実と違う説明になることがあります。
- ほかの子やほかの家庭のこと 答えていい範囲は、事業所で決まっています。
- 利用日の変更や料金、契約のこと 担当が決まっている話です。
- 支援の方針や計画のこと 児発管に回します。
返すときは「いつまでに、誰から」を伝えます。
「本日17時までに、児発管の〇〇から折り返します」

「分かりません」って言うのが、頼りなく思われそうで…。

「分かりません」で止めると、相手は不安になる。
でも「確認して、〇時までに折り返します」なら、次が見える。
言っていることは同じでも、相手の受け取り方は変わるよ。
ほかの子のことを聞かれたときの断り方はこの記事にまとめています。
子どもの様子を話す前に、相手を確かめる
電話では、相手の顔が見えません。
子どもの様子や予定を話す前に、相手が誰かを確かめます。
確かめ方の例
- 「恐れ入ります、お子さんのお名前と、お電話くださった方のお名前を伺ってもよろしいですか」
- 登録されている連絡先や、お迎えの届けが出ている方かを、事業所の決まりに沿って確認します。
- 確かめられないときは、「確認して、ご登録の番号に折り返します」で切ります。
ガイドラインでも、事業所は子どもや家族の個人情報を適切に取り扱わなければならない、とされています。
確認に時間がかかっても、それは失礼にはあたりません。
伝言が届かないのが、いちばん困る
電話そのものより、あとで問題になりやすいのは伝言の途切れです。
知恵袋には、保護者の立場から「折り返しの電話を職員が管理者に伝えておらず、ほかの保護者からも同じ苦情が出ていた」という声がありました。
受けた人がきちんと聞いていても、担当に届かなければ、保護者から見れば「無視された」になります。
伝言が途切れない工夫
- 伝言メモの置き場所を決める 電話の横、担当ごとのトレーなど、事業所で1か所に。
- 口頭で伝えたうえで、紙も残す 口だけだと、忙しい時間帯に抜けます。
- 「折り返し済み」を書き込む 誰が、いつ折り返したかを、同じ紙に書きます。
- 終わりの打合せで確認する 折り返しが残っていないかを、帰る前に見ます。
記録が時間内に終わらないときの工夫はこの記事に書いています。
不満や強い口調の電話を受けたとき
不満の電話は、受けた職員が解決しなくてかまいません。
ガイドラインでは、苦情を受け付ける窓口や担当者、解決に向けた手順を整えるのは、設置者・管理者の役割とされています。
受けた職員がやること
- さえぎらずに聞き、メモする 相手の言葉は、なるべくそのまま書きます。
- その場で約束しない 「お話は伺いました。管理者から改めてご連絡します」
- すぐに上げる 受けた時間と内容を、管理者に伝えます。
大声で責められる、脅すような言葉が続くなど、1人で受け止めきれないときは、「管理者に代わります」と伝えて代わってもらってかまいません。
クレームを受けて落ち込んだときの話は保護者クレームがつらいときの記事にまとめています。
よくある質問
Q. 活動中で、電話に出られません。
A. 子どもから目を離さないことが先です。誰が電話を取るかは、時間帯ごとに事業所で決めておくと迷いません。
Q. 保護者の方から、電話で子どもの様子を詳しく聞かれました。
A. 自分が見ていた場面だけを、事実で短く伝えます。見ていないことは担当から折り返します。送迎で話すときの型はこの記事にもあります。
Q. 自分の携帯に保護者から電話がかかってきました。
A. 個人の連絡先でのやりとりは、事業所の決まりを確認してください。受けた内容は、事業所の記録に残して管理者に伝えます。
Q. 電話が苦手で、声が小さくなってしまいます。
A. 最初の一言だけ決めておくと出やすくなります。「お電話ありがとうございます。〇〇(事業所名)の〇〇です」。あとは伝言メモの項目を順に聞けば足ります。
まとめ
この記事のポイント
- ① 電話はメモ → 復唱 → 記録。
- ② 聞くことは誰から・誰のこと・用件・期限・折り返し先。
- ③ けが・ほかの子・契約・方針のことは確認して折り返す。「いつまでに、誰から」を添えます。
- ④ 子どもの様子を話す前に相手を確かめる。
- ⑤ いちばん困るのは伝言の途切れ。紙で残し、折り返し済みまで書きます。
- ⑥ 不満の電話はその場で約束せず、すぐ上げる。

電話が怖かったのは、ちゃんと伝えなきゃと思っていたからだ。
メモと復唱があれば、聞き漏らしは電話の中で気づける。
今日のあなたに、はなまる。
あわせて使えるもの
▶ 支援記録チェッカー 書いた記録の抜けとあいまいな言葉を見つける無料ツール。電話の記録にも使えます。
▶ 放デイ職員の道具一覧 用途べつに、現場で使う道具をまとめています。
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