虐待防止・身体拘束の研修の感想は何を書く?3行で書ける型と例文6つ【放デイ職員向け】
研修が終わって、用紙を渡される。
「感想を書いて出してください」。
虐待防止。身体拘束。大事な話なのは分かる。
でも、何を書けばいいのか分からないまま、ペンが止まる。
この記事では、感想の中身を考えずに書ける型と、そのまま使える例文をまとめます。
先に結論
① 感想は研修の評価ではありません。
② 「学んだこと」より、自分の現場のどの場面に当てはまるかを1つ書きます。
③ 型は場面 → 気づき → 明日やることの3つだけ。
④ 研修の内容への疑問は、感想欄ではなく確認として別に出すほうが通りやすくなります。
⑤ 書けないときは、資料の中の1行を引いて、そこに自分の場面をつけます。

だいち先生、虐待防止の研修の感想が書けません。
「勉強になりました」以外、何も出てこなくて。

それ、研修の感想を書こうとしているからだよ。
書くのは研修のことじゃなくて、自分の現場のことだ。
そもそも、なぜ感想を出すのか
虐待防止の研修と、身体拘束の適正化の研修は、事業所に求められている取り組みです。
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
設置者・管理者は「虐待防止委員会を定期的に開催するとともに、その結果について職員に周知徹底を図ること、職員に対する虐待の防止のための研修を定期的に実施すること、これらの措置を適切に実施するための担当者を置くこと」が求められている。
身体拘束については「設置者・管理者は、身体拘束等の適正化を図る措置(①身体拘束等の記録、②身体拘束適正化検討委員会の定期開催、③指針の整備、④研修の実施)を講じる必要がある」。
感想文そのものが法律で決まっているわけではありません。
研修をやったことを残す方法として、受講記録や感想用紙を使う事業所が多い、という位置づけです。
実地指導で何を見られるかはこの記事にまとめています。
つまり、感想に求められているのは気の利いた文章ではありません。
受けた人が、自分の仕事とつなげて考えたかどうかが分かればいい、という性質のものです。
型は3つ|場面 → 気づき → 明日やること
この順番で書く
- ① 場面 自分の現場で思い当たる場面を1つ。「〜の場面で」から始めます。
- ② 気づき 研修で聞いた話のうち、その場面に当てはまるものを1つ。
- ③ 明日やること 次に同じ場面が来たときにどうするか。1つだけ。
3〜5行で十分です。長く書く必要はありません。

3行でいいんですか。

いいよ。
場面が1つ書いてある感想は、10行の「勉強になりました」より中身がある。
虐待防止研修の感想|例文3つ
例文1(言葉かけ)
急いでいるときに「早くして」と強い言い方になることがあると気づきました。研修で、言葉による威圧も虐待に含まれると聞きました。次からは、急ぐ場面では声を強くする前に、こちらが1つ先に準備しておくようにします。
例文2(複数の目)
送迎で1人になる時間があることを、あらためて意識しました。研修で、密室になる場所を作らないことが大切だと聞きました。出発前と到着後に人数を声に出して確認し、記録に残す形を続けます。
例文3(気づく側)
ほかの職員の関わり方に「これはどうなんだろう」と思った場面がありました。研修で、気づいた時点で報告する流れがあると聞きました。判断を自分だけで抱えず、まず児発管に確認します。
どれも、研修の内容を要約していません。
自分の場面が1つ入っている。それだけで成立します。
身体拘束の研修の感想|例文3つ
身体拘束は、言葉の範囲がはっきりしています。
ガイドラインの記述
「職員が自分の体でこどもを押さえつけて行動を制限することや、自分の意思で開けることのできない居室等に隔離すること等は身体拘束に当たり」、運営基準により「こどもの生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、禁止されている」。
やむを得ず行う場合は切迫性・非代替性・一時性の3つの要件をすべて満たすことが必要とされています。
例文4(3要件)
とっさに体を止めることと、身体拘束の線引きがあいまいでした。研修で、切迫性・非代替性・一時性の3つが要件だと聞きました。他に方法がないかを先に考える、という順番を持っておきます。
例文5(記録)
その場の対応で終わりにせず、記録が必要だと知りました。研修で、記録がないと運営基準の違反になり得ると聞きました。手が出そうな場面に関わったときは、時間と状況をその日のうちにメモします。
例文6(環境のほう)
止める場面が多いのは、その子の問題だけではないかもしれないと思いました。研修で、環境を整えることが先にあると聞きました。人数・場所・待ち時間を変えられないか、活動の前に一度見直します。

事業所のやり方を批判しているように見えませんか。

「ここが悪い」ではなく「自分はこうする」で書けば、批判にはならないよ。
主語を自分にしておくのが、いちばん安全だ。
正直に書いていいのか問題
知恵袋に、こんな相談がありました。
研修の内容に納得できず、思ったことをそのまま感想に書いたところ、上司から怒られた。
感想を書けと言われたから書いたのに、という内容です。
感想欄は、意見を出す場所としては弱いという面があります。
読む相手が決まっていないこと、返事が来ないこと、記録として残ることが理由です。
疑問があるときの出し方
- 感想欄には、自分の行動を書く 「こうします」で止めます。
- 疑問は、確認の形で別に出す 「〇〇の場面はどう考えればいいですか」と聞きます。
- 相手と場を選ぶ 研修の講師ではなく、日ごろ相談できる人に出します。
意見が言いにくいときの出し方は、下の記事にまとめています。
それでも書けないときの3手
手が止まったら
- 資料から1行だけ引く 配られた資料の中で、いちばん引っかかった1行を書き写します。そこに「うちだと〜の場面です」をつけます。
- やらないことを書く 「〜しないようにします」でも成立します。行動が具体的なら十分です。
- 知らなかったことを書く 「通報の窓口が市町村だと知りませんでした」のように、知識の穴を1つ書きます。正直でいて、角が立ちません。
記録全般の言い回しは支援記録の例文100選にあります。
よくある質問
Q. 何文字くらい書けばいいですか。
A. 用紙の欄が埋まる程度で十分です。3〜5行、150字前後を目安にすると書きやすくなります。
Q. 毎年同じ研修で、同じことしか書けません。
A. 場面を変えます。去年と同じ内容の研修でも、この1年に起きた場面は違うはずです。直近で気になった場面を1つ選びます。
Q. 職場で気になる関わりを見かけました。書いていいですか。
A. 感想用紙より先に、児発管や管理者への報告です。気づいた人が報告する流れがあります。書くかどうかも含めて、先に相談してください。
Q. オンライン研修で、内容がほとんど頭に入りませんでした。
A. 資料が残っていれば、見出しだけ追います。見出しの中から自分の現場に一番近いものを1つ選べば、感想は書けます。
Q. 感想は評価に影響しますか。
A. 事業所によります。気になる場合は、内容を安全側に寄せて、行動を1つ書く形にとどめておくのが無難です。
まとめ
この記事のポイント
- ① 感想は研修の評価ではなく、自分の現場とつなげた記録です。
- ② 型は場面 → 気づき → 明日やることの3行。
- ③ 主語を自分にしておくと、批判に読まれません。
- ④ 身体拘束は切迫性・非代替性・一時性の3要件と、記録が要点です。
- ⑤ 疑問は感想欄ではなく、確認として別に出します。

感想が書けないのは、まじめに受け取ったからだ。
適当に書ける人のほうが、手は早い。
場面を1つ思い出せたなら、それがもう研修の成果だよ。
今日のあなたに、はなまる。
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