放デイでベテラン職員に意見が言えない…「意見」ではなく「確認」で出す型と、言う前に分ける3つ【現場目線】
ベテランの先生のやり方を見て、「それでいいのかな」と思う。
でも、相手は何年もこの仕事をしている人だ。
自分のほうが分かっていないだけかもしれない。
言えば、明日から気まずくなるかもしれない。
黙っていると、自分も同じやり方に合わせることになる。
この記事では、言う前に分けることと、角を立てずに出す「確認」の型をまとめます。
先に結論
① 言えないのは、あなたが弱いからとは限りません。何を根拠に話せばいいか分からないだけのこともあります。
② 言う前に、3つに分けます。やり方の違い/計画とずれていそうなこと/子どもの安全や権利にかかわること。
③ 前の2つは、「意見」ではなく「確認」で出します。相手を指さず、自分の動きを聞く形にします。
④ 話す材料は場面と計画です。子どもの前では話しません。
⑤ 3つ目だけは別です。言いにくさと関係なく、事業所の中だけで止めません。

だいち先生、ベテランの先生の声かけが、ちょっと強すぎる気がして…。
でも、私が言える立場じゃないですよね。

「言える立場か」から考えると、ずっと言えないままになる。
先に、それがどの種類の話かを分けてみよう。
種類が分かると、出し方が決まるから。
言えないのには、理由があります
意見が言えないとき、自分の気の弱さのせいにしてしまいがちです。
でも、止まっている理由はほかにもあります。
言えなくなる理由
- 経験の差 相手のほうが長く見てきた、という事実が重く感じます。
- 根拠が言葉にならない 「なんとなく違う気がする」だけでは、話しにくくなります。
- 関係が崩れる不安 明日も同じシフトで働く相手です。
- 自分が間違っているかもしれない 確かめる方法が分からないまま、黙ることになります。
知恵袋には、学童の補助支援員が、けんかの仲裁をベテランの先生に頼んだあと「この仕事は誰にでもできる」と言われて悩んでいる、という声もありました。
一度こういう言葉を受けると、次に口を開くのはさらに難しくなります。
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「職場での何でも言える雰囲気作りや職員同士のコミュニケーションの活性化も設置者・管理者の重要な役割である」
「支援終了後に職員間で打合せを実施し、その日の支援の振り返りをし、こどもや家族との関わりで気づいた点や、気になった点について職員間で共有することも重要である」
気になった点を共有することは、場を乱す行為ではありません。
言いやすい場を作るのは、あなた1人の仕事でもありません。
言う前に、3つに分けます
「おかしい」と感じたことを、次の3つのどれかに当てはめます。
| 種類 | 例 | 出し方 |
|---|---|---|
| ① やり方の違い | 声かけの言い回し、片付けの順番、遊びの入り方 | 基本は合わせてよい。気になるなら、自分の動きを確認する |
| ② 計画や決まりとずれていそう | 計画では残り時間を見せるとあるのに、見せていない | 「確認」で出す。答えが分からなければ児発管に聞く |
| ③ 子どもの安全や権利にかかわる | 腕を強く引っぱって立たせる、脅す言葉を使う | 言いにくさと関係なく、管理者・児発管に上げる。変わらなければ外の窓口へ |
迷ったら、1つ上の種類として扱います。
①か②か迷ったら②、②か③か迷ったら③です。
指示が人によって違うときの分け方は職員によって言うことが違うときの記事にも書いています。
「意見」ではなく「確認」で出す
①と②は、相手のやり方を評価する形で出すと、ぶつかりやすくなります。
主語を自分にして、「私はどう動けばいいか」を聞く形にします。
言いかえの例
- ✕「その声かけ、強すぎると思います」
○「〇〇さんが切り替えにくいとき、私はどんな声かけにそろえればいいですか」 - ✕「なんでタイマーを使わないんですか」
○「計画に、残り時間を見せると書いてあったんですが、使う場面と使わない場面はどう分けていますか。私も同じにしたいので」 - ✕「そのやり方、前の職場では違いました」
○「このやり方になった理由を知りたいです。そろえておきたいので」
「私も同じにしたいので」「そろえておきたいので」を付けると、相手を正す話ではなく、自分がそろえるための質問になります。

確認のふりをして、結局は意見を言っているようで、ずるくないですか。

ずるくはないよ。
実際に、理由を聞いてみないと分からないことが多いんだ。
ベテランのやり方には、言葉にしていない理由があることもある。
聞いてみて納得したら、それで終わりでいい。
出すタイミングと場所
出すときの線
- 子どもの前で言わない 職員同士の食い違いが見えると、どちらに合わせればいいか迷う子もいます。
- その場ではなく、打合せや振り返りの時間に 活動中は短く合わせて、あとで聞きます。
- 1回に1つだけ たまっていたことをまとめて出すと、責める話に聞こえます。
- 記録や計画を手元に 「〇日の自由時間の終わりに」と場面を言えるようにします。
安全にかかわることは例外です。
危ない場面は、その場で「いったん止めます」と短く入ってかまいません。
相手ではなく、場面と計画で話す
話の中心に置くのは、人ではなく場面です。
話の組み立て
- 場面 「自由時間の終わりの、片付けの声かけのとき」
- 見えたこと 「〇〇さんが、部屋を出ていくことが今週3回ありました」
- 計画や決まり 「計画では、残り時間を先に見せる、となっています」
- 聞きたいこと 「この場面、どう動くのがいいですか」
「〇〇先生が」と人を主語にすると、相手は自分を守る話になります。
場面を主語にすると、どう動くかの話になります。
見えたことを記録に残す書き方は支援記録の例文100選にあります。
それでも伝わらないとき
確認しても答えが返ってこない。
聞いたことで、かえって関係がぎくしゃくした。
そういうこともあります。
次の手
- 児発管に「方針を確認したい」として相談する 特定の人の話ではなく、支援の方針の話として持っていきます。
- 会議や打合せの議題にしてもらう 全員でそろえる形にすると、個人同士のぶつかり合いになりにくくなります。
- 見えたことを記録に残す 日付と場面と、自分がどう動いたか。感情は書きません。
知恵袋には、入ったばかりなのに仕事のやり方がころころ変わってつらい、という声もありました。
やり方が人や日によって違うのは、個人の問題ではなく、方針がそろっていないというサインのことがあります。
聞く相手の分け方は相談できる先輩がいないときの記事にまとめています。
子どもの安全や権利にかかわることは、別の話です
知恵袋には、年上の職員が子どもの手首を持って引き上げたり、脅すような言葉を使ったりしていて、注意しても笑われる、管理者が言っても変わらない、という声がありました。
これは「意見が言えるかどうか」の話ではありません。
ガイドラインの記述
「職員から虐待を受けたと思われるこどもを発見した場合(相談を受けて虐待と認識した場合を含む。)、その者は、障害者虐待防止法第16条に規定されている通報義務に基づき、(中略)市町村の窓口に通報する必要がある」
「事業所の中だけで事実確認を進め、事態を収束させることなく、必ず市町村に通報した上で行政と連携して対応を進める必要がある」
虐待にあたるかどうかを、自分1人で決める必要はありません。
迷うときは、まず管理者や児発管に、見た場面をそのまま伝えます。
それで変わらないときの相談先は、下の記事にまとめています。
▶ 職員によって言うことが違うとき(明らかにおかしいことの相談先)
▶ 職員が怖いと感じたとき(子どもの前で怒鳴る同僚がいる場合)
よくある質問
Q. 年下の自分が確認すると、生意気だと思われませんか。
A. 「そろえたいので」と理由を添えると、受け取られ方が変わることがあります。聞くのは、自分の動きについてだけにします。
Q. 確認したら、不機嫌になられました。
A. その場で重ねて聞かず、いったん引きます。同じ話をもう一度出すときは、児発管を通して方針の確認にします。
Q. 相手が児発管や管理者の場合は。
A. 形は同じです。計画や決まりを手元に置いて、場面ごとに確認します。安全にかかわることで変わらないときは、事業所の外の窓口を使います。
Q. 自分のほうが間違っていたら、と思うと聞けません。
A. 確認の形なら、間違っていても「分かりました、そろえます」で終わります。間違いを避けるために聞く、と考えてかまいません。
まとめ
この記事のポイント
- ① 言えないのは、根拠の出し方が分からないだけのこともある。
- ② 言う前に3つに分ける。やり方の違い/計画とずれていそう/子どもの安全や権利。
- ③ 前の2つは「確認」で出す。主語は自分、理由は「そろえたいので」。
- ④ 子どもの前で言わない。場面と計画で話す。
- ⑤ 伝わらないときは児発管に方針の確認として相談する。
- ⑥ 子どもの安全や権利にかかわることは事業所の中だけで止めない。

言えなかったのは、相手との関係も、子どものことも大事にしていたからだ。
意見じゃなくて確認なら、明日から1つずつ出せる。
今日のあなたに、はなまる。
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