子どもとの関わり
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放デイのクールダウンはどこで待つ?場所の条件3つと、落ち着くまでの職員の動き方【職員向け】

daichi

部屋の隅で、声が大きくなっている。

周りの子が手を止めて、こちらを見ている。

別の部屋に移したほうがいいのか。

そばにいたほうがいいのか、離れたほうがいいのか。

この記事では、落ち着くまでをどこで、どう待つかを、場所の条件と職員の動きに分けてまとめます。

先に結論

① クールダウンの場所は「連れて行く場所」ではなく、戻ってこられる場所です。

② 自分の意思で出られない部屋に入れることは身体拘束にあたります。原則として禁止されています。

③ 場所の条件は3つ。刺激が少ない・職員から見える・自分で出入りできる。

④ 待ち方の基本は近くにいて、話しかけすぎない。落ち着かせようとしないことです。

⑤ 終わりは戻り方と記録まで決めておきます。振り返りは短くします。

わかば
わかば

だいち先生、興奮が収まらないとき、別の部屋に連れて行ったほうがいいんでしょうか。
そのまま部屋にいると、周りの子も落ち着かなくて…。

だいち
だいち

場所を変えるのは手のひとつだよ。
ただ「連れて行く」と「入れて出られなくする」は、まったく別の話。
先に、そこの線を確認しよう。

鍵をかけて出られなくするのは、身体拘束です

国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。

ガイドラインの記述

「職員が自分の体でこどもを押さえつけて行動を制限することや、自分の意思で開けることのできない居室等に隔離すること等は身体拘束に当たり、運営基準により、障害のあるこどもや他の障害のあるこどもの生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、禁止されている」

「やむを得ず身体拘束を行う場合は、切迫性、非代替性、一時性の3つの要件を全て満たすことが必要となる」

事業所には、身体拘束についての記録・委員会・指針・研修という手続きが求められています。

つまり、その場の職員が1人で判断して行う形のものではありません。

落ち着くまでの場所を用意することと、出られない場所に入れることは、分けて考えます。

わかば
わかば

ドアを押さえて出られないようにするのも、同じですか。

だいち
だいち

同じ扱いになりうる。
だから「出られなくする」以外の手を先に用意しておくんだ。
場所の条件を3つ決めておくと、そこで迷わなくなるよ。

場所の条件は3つ

クールダウンの場所に必要なもの

  • ① 刺激が少ない 人の出入り、音、物が少ない場所。部屋でなくても、棚で仕切った角や、廊下の端でもかまいません。
  • ② 職員から見える 見張るためではなく、けがや体調の変化に気づくためです。
  • ③ 自分で出入りできる 入るのも出るのも、その子が決められる形にします。

ガイドラインでは、事業所の空間について、体調が悪いときに休める静養空間を工夫して確保すること、不安な気持ちを落ち着かせる環境を整えることが挙げられています。

事業所の自己評価の項目にも、必要に応じてこどもが個別の部屋や場所を使用することが認められる環境かという問いがあります。

専用の部屋がなくても、条件を満たす場所を決めておけば足ります。

待ち方は「近くにいて、話しかけすぎない」

落ち着くのを待つ時間に、職員がやることは多くありません。

待っているあいだ

  • 声かけは短く、回数を減らす 「ここにいるよ」「待ってるね」くらいで足ります。
  • 説明と説得をしない 興奮しているときに理由を聞いても、あとで話が食い違いやすくなります。
  • 距離をとる 手が出る場面では、届かない距離に立ちます。正面より斜めの位置が入りにくいこともあります。
  • 時間を決めない 「5分で戻す」と決めると、収まっていない子を動かすことになります。

ガイドラインにも、強い不安や緊張を示すこどもには少人数でゆったりと落ち着いた受容的な環境を用意することが挙げられています。

対応したあとの自分の気持ちの扱い方は癇癪・パニック対応がつらいときの記事にまとめています。

周りの子を動かす、という手もあります

落ち着かない子を移すことばかり考えがちです。

けれど、動かすのは周りのほうでもかまいません。

周りへの対応

  • 活動の場所をずらす 残りの子と一緒に、別の部屋や広い場所へ移ります。
  • 短く伝える 「いまは先生が入るね。こっちで続けよう」。理由の説明はしません。
  • 見に行かせない 人が集まるほど、収まりにくくなることがあります。

知恵袋には、思いどおりにならないと物を壊したり外へ出ていこうとしたりする場面で、数年関わり続けている職員の声もありました。

1人で抱えず、その場で人を呼ぶ形を決めておきます。

けんかの場面に入るかどうかの判断軸はこの記事に書いています。

戻るときと、そのあと

落ち着いたあとに、長い振り返りはしません。

戻り方

  • 戻る場所を先に言う 「終わったら、おやつのテーブルに戻ろうか」
  • 叱り直さない 落ち着いたところで責めると、次にその場所を使いにくくなることがあります。
  • 約束を取りつけない 「もうしない?」は、その場をしのぐ返事を引き出すだけになりがちです。
  • 短く1つだけ 伝えるなら行動だけ。「次は、いやなときは先生を呼んでね」

そのあと、記録に残します。

記録に書くこと

  • きっかけ 直前の場面、言われたこと、活動の切り替えなど
  • 場所と時間 どこで、何分くらいか
  • 職員の動き 誰が、どこにいて、何をしたか
  • 戻り方 どうやって活動に戻ったか

同じ時間帯・同じ場面で繰り返していないかを見るために書きます。責任の記録ではありません。

書き方の例は支援記録の例文100選に、危なかった場面はヒヤリハットの書き方にまとめています。

わかば
わかば

落ち着いたあとに、ちゃんと分からせないといけない気がしていました。

だいち
だいち

その気持ちは分かる。
でも、落ち着いた直後はまだ余力がないことが多い。
伝えるなら、次の日でも間に合うよ。

よくある質問

Q. 別室がありません。

A. 部屋でなくてもかまいません。棚で仕切った角、廊下の端、事務室の前など、3つの条件に合う場所を事業所で決めておきます。

Q. どれくらい待てばいいですか。

A. 時間では決めません。呼吸や声の大きさ、体の動きが変わってきたかを見ます。長引くときは、人を交代します。

Q. 同じ子が毎回使うと、ほかの子に不公平に見えませんか。

A. 「静かに過ごせる場所」として、誰でも使える形にしておくと、特別な場所になりにくくなります。使い方は事業所で決めます。

Q. 自分が抜けると、部屋が回りません。

A. その日の人の配置の話です。1人で抱えずに、呼ぶ相手と交代の合図を決めておきます。難しい日が続くなら記録に残して共有します。

まとめ

この記事のポイント

  • ① クールダウンの場所は戻ってこられる場所。
  • ② 出られない部屋に入れるのは身体拘束。原則禁止で、事業所の手続きが必要です。
  • ③ 場所の条件は刺激が少ない・職員から見える・自分で出入りできる。
  • ④ 待ち方は近くにいて、話しかけすぎない。時間を決めません。
  • ⑤ 動かすのは周りの子のほうでもよい。
  • ⑥ 戻ったら叱り直さず、記録は次に生かすために書きます。
だいち
だいち

どこで待つか迷ったのは、その子も、周りの子も守ろうとしていたからだ。
場所の条件を3つ決めておけば、その場で選べる。
今日のあなたに、はなまる。

出典

こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(PDF)

※場所の使い方や身体拘束の手続きは、事業所ごとに定められています。実際の動き方は、個別支援計画と勤務先の指針に合わせてください。

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