話しかけるのが苦手でも大丈夫|会話以外で子どもと関わる5つの形【放デイ職員向け】
子どもは好きだ。でも、話しかけるのが苦手だ。
明るく声をかける先輩を見ていると、自分はこの仕事に向いていないのではないかと思えてくる。
この記事では、話す以外の関わり方を並べます。
先に結論
① 関わりは会話だけではありません。
② 同じ場にいる時間そのものが関わりになります。
③ 沈黙を埋めない。埋めようとするほど不自然になります。
④ 物を介すと、言葉が少なくても成り立ちます。
⑤ うまく話せた日を基準にしない。

だいち先生、私は話すのが苦手で……。
盛り上げるのが上手な先輩を見ると、落ち込みます。

にぎやかさは、関わりの一つの形にすぎないよ。
静かな関わりを求めている子も、ちゃんといる。
① 会話が関わりのすべてではない
安心して過ごせる場は、にぎやかさで作るものとは限りません。
むしろ、話しかけられ続けることが苦しい子もいます。
静かにそばにいられる人は、その子にとって貴重です。
② 同じ場にいる
言葉がなくてもできる3つ
- 同じ机で、別のことをする(向かい合わない)。
- 横に座る。正面より圧が下がります。
- その子が見ているものを、一緒に見る。
「何か話さなければ」と思うと、間が持たなくなります。
同じ場にいる時間を先に作ると、向こうから来ることがあります。
話しかけてこない子のことは子どもが話しかけてこないにまとめています。
③ 沈黙を埋めない
沈黙が続くと、こちらが不安になって質問を重ねてしまいます。
質問が増えるほど、子どもは答える側に回ります。
答えるのが苦手な子には、それが負担になります。
代わりにできること
- うなずく。
- 見たことを短く言う(「それ、赤いね」)。
- 何も言わずに、同じ作業を続ける。
間があいても大丈夫、という態度そのものが伝わります。
④ 物を介す
言葉が少なくて済む形
- 道具を渡す(はさみ、のり、ボール)。
- 一緒に片づける。
- ルールのある遊びに入る(会話の代わりに手順がある)。
物があると、目線と手が先に動きます。
会話を組み立てなくても、やりとりが始まります。
道具のいらない遊びは室内遊びアイデア15にあります。
⑤ 自分の基準を変える
「今日はたくさん話せた」を良い日の基準にすると、話せなかった日が全部だめな日になります。
別の基準にする
- その子がそばに来た回数。
- こちらを見た回数。
- 同じ場所で過ごせた時間。
どれも記録に書けることです。書けるということは、支援として説明できるということです。
書き方は支援記録の書き方(例文100選)が使えます。
⑥ それでも苦しいとき
苦手なことを毎日続けるのは、消耗します。
チームの中で、自分が得意な役割(記録・準備・少人数の付き添い)を持てないか、相談することもできます。
相談の出し方は相談できる先輩がいないにまとめています。
⑦ 初日から使える、短い言葉の型
長く話さなくていい5つ
- あいさつ=「おはよう」「またね」。名前を添えるだけで十分です。
- 実況=「いま3個できたね」。感想より事実のほうが返しやすい。
- 選択肢=「こっちとこっち、どっちにする?」。
- 確認=「これ、使っていい?」。
- お礼=「ありがとう、助かった」。
どれも一文で終わります。長い話を組み立てなくても、1日の中で何度も使えます。
慣れてきたら、この5つのうち1つだけ、意識して回数を増やしてみます。
よくある質問
Q. 明るくないと向いていませんか。
A. 求められているのは、安心して過ごせる場をつくることです。明るさはその方法の一つで、唯一のものではありません。
Q. 子どもに「つまんない」と言われました。
A. その言葉は、いまの活動への感想であって、あなたへの評価とは限りません。活動の形を変えて試します。
Q. 保護者と話すのも苦手です。
A. 送迎や連絡帳など、短い場面から型を決めておくと負担が下がります。
Q. 先輩のまねをするべきですか。
A. 手順はまねできますが、話し方は人によります。うまくいっている場面の「順番」だけを見ると、まねしやすくなります。
まとめ
この記事のポイント
- ① 関わりは会話だけではない。
- ② 同じ場にいることが関わりになる。
- ③ 沈黙を埋めない。
- ④ 物を介すとやりとりが始まる。
- ⑤ 良い日の基準を変える。

にぎやかな人が向いている、という話じゃないんだ。
静かな人にしか作れない時間も、ちゃんとあるよ。
出典
こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(こども家庭庁)
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