放デイのお迎えで学校の先生と何を話す?3分で聞くこと4つと、伝えていい情報の線【職員向け】
学校の玄関で、担任の先生と目が合う。
「今日はどうでしたか」と聞きたいけれど、先生も急いでいる。
結局「お世話になりました」だけで、車に戻る。
車の中で、その子が急に泣き出す。
学校で何かあったのか、こちらは何も知らない。
検索して出てくるのは、事業所どうしの連携や、学校への営業のしかたの記事です。
この記事は、迎えに行く職員が、あの3分で何を聞くかを書きます。
先に結論
① お迎えの3分は引き継ぎの時間です。世間話も報告会もしません。
② 聞くのは4つ。体調・帰りに関係する出来事・持ち物と宿題・予定の変更。
③ 聞き方はその場の判断に使えるかどうかで決めます。
④ 子どもの目の前で、その子の困りごとをやり取りしません。
⑤ 学校に伝えていい情報には線があります。国のガイドラインでは、保護者の同意が前提とされています。

だいち先生、学校のお迎えのとき、先生に何を聞けばいいのか分からなくて…。
いつも「お世話になりました」で終わってしまいます。

あの場面は時間が短くて、立ち話で、両方とも忙しい。
だから、聞くことを先に決めておくんだ。
その場で考えると、何も聞けずに終わる。
あの3分は、引き継ぎの時間
学校から事業所へ、子どもが移る場面です。
その数分で必要なのは、これから数時間を安全に過ごすための情報です。
学校での評価や、指導の内容ではありません。
聞くのは4つ
- ① 体調 熱、けが、給食の食べ方、保健室に行ったか。
- ② 帰りに関係する出来事 直前にあったこと。泣いた、けんかがあった、行事で疲れているなど。
- ③ 持ち物と宿題 持ち帰るもの、連絡帳、宿題の量。
- ④ 予定の変更 下校時刻、行事、翌日の予定。
4つともその日の支援にすぐ使う情報です。
ここに絞ると、短くても聞けます。
そのまま使える聞き方
「今日、体調で気になるところはありましたか」
「帰りの前に、何かありましたか」
「持ち帰るものはありますか」
「明日の下校時刻は変わりませんか」
全部聞けなくて構いません。優先は①と②です。
④は、毎回聞くと負担になります。
学校の予定表をもらっているなら、変更があった日だけ確認すれば足ります。
聞き方は「その場で使えるか」で決める
学校での様子は、聞けば聞くほど情報が増えます。
ただ、増えた情報の全部が、放デイの数時間で使えるわけではありません。
聞いたあと、こう分ける
- 今日の支援に使うこと 体調、直前の出来事、疲れ具合。すぐ職員間で共有します。
- 記録に残すこと いつ、学校から何を聞いたか。事実だけを書きます。
- 事業所として受けること 支援の方針、学校での指導方法、家庭の事情。その場で答えず、管理者に上げます。
3つ目を職員が立ち話で引き受けると、あとで食い違いが起きます。
「持ち帰って確認します」で構いません。

先生から「家庭のほうが大変みたいで」と言われたことがあります。

それはその場で受け取る話じゃないね。
「ありがとうございます、事業所に共有します」で切っていい。
判断するのは職員個人じゃなくて、事業所だから。
子どもの前で、その子の困りごとを話さない
これは、あの場面でいちばん起きやすいことです。
お迎えのとき、その子はすぐ横で聞いています。
知恵袋には、こういう相談も残っています。
保護者の側から見えていること(要旨)
- 放デイの職員が迎えに来たとき、担任が本人の目の前で「今日も大変でした」「今日もずっとこんな感じです」と引き継いでいた。見ていて配慮がないと感じた。
これは学校側の話ですが、受け取る側の職員にもできることがあります。
「そのお話は、あとで電話で伺えますか」と場所を変えられます。
こちらから聞くときも同じです。
「今日は大丈夫でしたか」という聞き方は、本人の前では避けられます。
「持ち帰るものはありますか」から入れば、本人の前でも自然です。
学校に伝えていい情報には、線があります
学校の先生から、放デイでの様子を聞かれることがあります。
ここは、その場で全部答えないでください。
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「こどもに必要な支援を提供するに当たっては、事業所・学校等・家庭の三者の共通理解の下で、役割分担を明確にし、連携を図りながら進めていくことが必要である」
「このため、あらかじめ保護者の同意を得た上で、学校等から個別の教育支援計画をはじめとした支援内容の情報提供を受けるとともに、事業所からも放課後等デイサービス計画をはじめとした支援内容の情報を提供するなど、積極的に連携を図ることが必要である」
連携は必要とされています。
そのうえで、情報のやり取りには保護者の同意が前提と書かれています。
その場で答えないほうがよいこと
- 個別支援計画の中身 事業所が保護者と作った計画です。
- 家庭の事情 保護者から聞いた話を、学校に流さない。
- ほかの子のこと 同じ学校の別の利用者の話はしません。
- 診断や見立て 職員が診断のような言い方をしません。
どれも「事業所を通してお答えします」で足ります。
断るのではなく、窓口を変えるだけです。
待たされる・出てこないとき
子どもが教室から出てこない。
次の学校のお迎えの時間が迫る。
この場面は、その場の頑張りで解決しません。
その場でやること
- ① 事業所に連絡する 遅れる見込みを先に伝えます。次の便の調整は事業所の仕事です。
- ② 学校に、どこまで待つかを伝える 「◯分まで待って、難しければ一度戻ります」。
- ③ 記録に残す 日時と、待った時間。
繰り返すなら、下校時刻の確認や連絡の方法を決め直す話になります。
これは管理者・児発管の役割としてガイドラインに書かれています。
ガイドラインの記述
「学校等と事業所それぞれの年間計画や行事予定等の交換を行うとともに、学校等の下校時刻の確認なども併せて行う必要がある」
「管理者や児童発達支援管理責任者は、送迎時の対応、トラブルや事故が発生した場合の連絡体制や対応マニュアル等について、学校等と事前に共有・調整し、送迎を担当する職員を含め事業所内で周知徹底しておくことが必要である」
つまり、学校との段取りは職員が個人で作るものではありません。
あなたがやるのは、起きたことを事業所に上げるところまでです。

毎回15分くらい待っていて、自分の要領が悪いのかと思っていました。

それ、要領の話じゃないよ。
下校時刻の確認と連絡の決めごとが足りていないだけ。
記録を出せば、事業所として学校に相談できる。
学校の先生の側にも、事情があります
知恵袋には、学校の先生からの相談も残っています。
学校の先生の側の声(要旨)
- 特別支援学級の新任の担任。帰りの支度が遅い児童がいて、迎えの人を長いときは1時間待たせてしまう。どこまで見守るのが自分の仕事なのか、同僚の間でも意見が分かれていて分からない。
相手も線引きに迷っています。だから、こちらから「何分まで待ちます」「難しい日は連絡します」と決めごとを提案すると、話が進みやすくなります。
先生を責める言い方にしないでください。
「毎回待たされて困る」ではなく、「◯時までに出発したいので、この時間で難しければ声をかけてもらえますか」。
同じ内容でも、受け取り方が変わります。
聞いたことは、1行で残す
その場で聞いた話は、車に戻ると忘れます。
スマホのメモでも、引き継ぎ表でも構いません。
残し方の例
「15:10 学校で担任より。給食は完食。5時間目に友だちとぶつかり、泣く場面があった。持ち帰りは体操服。」
「15:25 出発が10分遅れ。教室から出るまでに時間がかかったため。」
「明日は短縮授業で下校14:40に変更、と学校から連絡。」
記録に残すと、次の職員が同じことを聞かずにすみます。
事実で書く型は支援記録の例文100選にまとめています。
よくある質問
Q. 先生が忙しそうで、話しかけられません。
A. 全部を口で聞かなくて構いません。連絡帳や引き継ぎ用紙でやり取りする方法もあります。どの方法にするかは、事業所として学校と決めることです。
Q. 「放デイではどんなことをしているんですか」と聞かれました。
A. 活動の一般的な内容までなら答えられます。その子の計画や支援方針は、事業所を通してお答えしてください。
Q. 学校での対応に、疑問を感じました。
A. その場で意見を伝える立場ではありません。気になったことは事実として記録し、管理者に上げてください。
Q. 先生から「デイでも同じようにやってください」と言われました。
A. その場で約束しないでください。支援の方法は、事業所の計画に沿って決めます。「持ち帰って相談します」で構いません。
Q. 子どもが学校の出来事を話したがりません。
A. 聞き出さなくて大丈夫です。学校から聞いた事実と、こちらで見た様子を記録に残しておけば足ります。
まとめ
この記事のポイント
- ① お迎えの3分は引き継ぎの時間。聞くのは体調・帰りに関係する出来事・持ち物と宿題・予定の変更の4つ。
- ② 優先は体調と、直前の出来事。全部聞けなくて構いません。
- ③ 聞いた話は今日使う/記録に残す/事業所に上げるの3つに分けます。
- ④ 子どもの前で、その子の困りごとをやり取りしない。場所を変える提案ができます。
- ⑤ 学校への情報提供は保護者の同意が前提とガイドラインに書かれています。
- ⑥ 待ち時間や下校時刻の段取りは、管理者・児発管が学校と調整すること。記録を出して相談します。

あの3分で何を聞くか迷ったのは、その子の午後を安全に過ごさせたかったからだ。
4つに絞れば、短い時間でも聞ける。
聞けなかった日は、記録に残すところから。
今日のあなたに、はなまる。
あわせて使えるもの
▶ 送迎がきついと感じるとき 運転の負担と、事故が起きたときの話をまとめています。
▶ 送迎を1人で任されたら? 添乗なしで運転するときに決めておく5つを書いています。
▶ 宿題をやりたがらない子にどう関わる? 「やらせる」前に変える3つの条件を書いています。
▶ 支援員のミカタの公式LINE 「こんな場面で困った」を送ってもらえれば、記事にすることがあります。
あわせて読みたい
▶ 放デイの送迎がきつい…運転が怖い人の自衛策と、事故が起きたときの話【職員向け】
▶ 放デイの送迎で保護者と何を話す?30秒で終わる型と、立ち話でしてはいけない話【職員向け】
▶ 放デイの一日の流れ【職員版】時間帯ごとの動きと新人がつまずくポイント
▶ 個別支援計画は職員がどう読む?【放デイ・児発の現場向け】明日の支援に落とし込む3ステップ
▶ 【例文100選】放デイ・児発の支援記録の書き方|そのまま使える記録例とNG表現

