放デイで子どもに怒鳴ってしまった日|自分を責めすぎず、明日やること3つと繰り返さない仕組み【職員向け】
何度言っても止まらなかった。
ほかの子が危なかった。
気づいたら、大きな声で怒鳴っていた。
子どもの顔がこわばったのを見て、はっとした。
帰り道、ずっとその場面が頭から離れない。
この記事では、子どもに怒鳴ってしまった日に、職員が考えておきたいことをまとめます。
自分を責めすぎないこと、次の日の関わり直し、そして繰り返さないための動き方です。
先に結論
① 怒鳴ってしまったことを悔やんでいるなら、もう半分は振り返れています。
② 怒鳴ることは、子どもに精神的な苦痛を与える行為になり得ます。なかったことにはしません。
③ 次に会ったとき、短く謝って、いつも通りに関わり直します。
④ その日のうちに、起きたことを職員で共有します。一人で抱えません。
⑤ 繰り返しそうなら、怒鳴る前の合図と、交代できる仕組みを事業所で決めます。

だいち先生、今日、子どもに怒鳴ってしまいました……。
あの子、すごくびっくりした顔をしていて。
わたし、この仕事をする資格がないのかもしれません。

そう思うほど、今日のことを悔やんでいるんだね。
その気持ちは、あの子を大事に思っているから出てくるものだよ。
ただ、なかったことにはしないで、一緒に次のことを考えよう。
怒鳴ってしまうのは、気持ちの弱さだけではない
怒鳴ってしまう場面には、たいてい重なっているものがあります。
怒鳴ってしまう場面に重なりやすいもの
- 危険が迫っていた ほかの子や本人がけがをしそうで、とっさに声が大きくなった。
- 一人で対応していた 手が足りず、ほかに頼れる職員がいなかった。
- 疲れがたまっていた 一日の終わり、長期休み、人が足りない週。
- 何度も同じ場面が続いていた 「またか」という気持ちが積もっていた。
どれも、あなた一人の性格の問題ではありません。
職場の人数や役割の分け方も関わっています。
それでも、なかったことにはしない
国の放課後等デイサービスガイドラインには、職員に求められる倫理として、こう書かれています。
ガイドラインの記述
職員に求められる倫理として「こどもに身体的・精神的苦痛を与える行為の禁止に関すること」
「こどもの特性に合わない環境や不適切な働きかけにより二次障害が生じる場合があることを理解した上で支援を提供する」
怒鳴ることは、子どもにとって怖い体験になることがあります。
その怖さが、次の日の行きしぶりや、大人への不信につながることもあります。
だからこそ、自分を責め続けるのではなく、次にどうするかに気持ちを向けます。

責めなくていい、でもなかったことにはしない……。
どうすればいいんでしょう。

「起きたことを認めて、次を変える」だよ。
反省文を書くことじゃない。
今夜はまず休んで、明日やることを3つだけ決めよう。
① 次に会ったとき、関わり直す
関わり直しの一言
- 「このあいだは大きな声を出してごめんね。びっくりしたよね」
- 「あなたのことが嫌いで怒ったんじゃないよ。危ないと思ったんだ」
- 言い終わったら、いつも通りにあいさつをして、いつもの遊びに入ります。
長く説明したり、子どもに「いいよ」と言わせようとしたりしません。
短く伝えて、あとは普段通りの関わりで安心を戻していきます。
子どもがまだこわばっているなら、無理に近づかず、ほかの職員に入ってもらうのも一つの方法です。
② その日のうちに、職員で共有する
ガイドラインには、支援のあとの振り返りについて、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「支援終了後に職員間で打合せを実施し、その日の支援の振り返りをし、こどもや家族との関わりで気づいた点や、気になった点について職員間で共有するも重要である。」
共有すること
- どの場面で、何があって、どう声を出したか。
- 子どもがそのあとどんな様子だったか。
- 次に同じ場面が来たら、どうしたいか。
隠しておくと、一人で抱えることになります。
共有すると、次の日に別の職員が見守れるようになります。
ヒヤリハットと同じく、反省文ではなく次の材料として残す考え方はヒヤリハットの書き方に書いています。
③ 繰り返さないための仕組みを決める
事業所で決めておきたいこと
- 怒鳴る前の合図 声が大きくなりそうだと感じたら、ほかの職員に目で合図を送る、など。
- 交代できる仕組み 「この子の対応が長くなったら交代する」を決めておきます。
- 危ないときの動き 声で止めるより先に、物をどける・間に入る・ほかの子を離す、を決めておきます。
声が大きくなる場面は、たいてい「どう止めればいいか決まっていない場面」です。

怒鳴らない職員になるのは、根性じゃなくて仕組みなんだ。
一人で抑え込もうとするほど、また同じことが起きやすくなる。
繰り返してしまうとき・止められないとき
同じことが何度も続く、自分でも抑えられないと感じるときは、ひとりで抱えずに管理者や児発管に相談します。
事業所には、虐待防止のための委員会や研修を置くことが求められています。
相談することは、自分を守ることにもなります。
疲れがたまっているサインかもしれません。
帰り道に涙が出た夜にの記事も、あわせて読んでみてください。
よくある質問
Q. 保護者に伝えるべきですか。
A. 伝えるかどうか、どう伝えるかは、管理者や児発管と相談して事業所として決めます。一人で判断しません。
Q. ほかの職員が怒鳴っているのを見てしまいました。
A. その場で責めるより、あとで管理者や児発管に伝えます。見て見ぬふりをしないことも、子どもを守ることです。
Q. 危ない場面で大きな声を出すのも、いけないことですか。
A. 危険を止めるための短い声かけと、感情のまま怒鳴り続けることは分けて考えます。危ない場面の止め方を事業所で決めておくと、迷いが減ります。
まとめ
この記事のポイント
- ① 悔やんでいるなら、もう半分は振り返れている。
- ② 怒鳴ることは精神的な苦痛になり得る。なかったことにしない。
- ③ 次に会ったら短く謝って、いつも通りに。
- ④ その日のうちに職員で共有する。
- ⑤ 繰り返さないために合図と交代の仕組みを決める。

怒鳴ってしまった日に、こうして次を考えている。
それは、あの子とこれからも関わっていきたいと思っているからだ。
今夜はもう休もう。
自分と向き合ったあなたに、はなまる。
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