子どもが飛び出した・いなくなった…走り出す前の60秒でやる3つ【放デイ職員向け】
いない。
さっきまで、そこにいたはずなのに。
公園の出口のほうを見る。道路が見える。
心臓が鳴って、走り出しそうになる。
この記事では、走り出す前の60秒に何をするかを順番でまとめます。
先に結論
① 最初の60秒は3つ。人数を数える → 役割を分ける → 報告する。
② 1人で追わない・1人で探さない。残った子の安全が同時に動いています。
③ 追いかけるより、危険な場所を先に押さえます。
④ 見つけたあと、その場で理由を聞きません。
⑤ 屋外活動の役割は、事業所の安全管理マニュアルに書かれているべきものです。

だいち先生、公園で1人見えなくなって、頭が真っ白になりました。
すぐ追いかけたほうがよかったんでしょうか。

追う前に、残っている子が何人かを数える。
1人を追って、残りが見ていない状態になるほうが危ないんだ。
最初の60秒でやる3つ
① 人数を数える
- 指差しで、声に出して数えます。焦っているときほど、目視だけだと数え間違えます。
- 誰がいないのかを名前で特定します。「1人足りない」では動けません。
- 残った子を、1か所に集めます。散っていると、次の見失いが起きます。
② 役割を分ける
- 残る人 その場に最低1人。ここを空けません。
- 探す人 2人以上が基本です。1人だと、見つけたあと連絡ができません。
- 連絡する人 事業所と管理者へ。探しながらの連絡にしません。
人数が足りないときは、探す人を減らして、残る人と連絡を優先します。
③ 報告する
- 「まだ見つかっていないから」と後回しにしません。いなくなった時点で報告です。
- 伝えるのは、誰が・いつから・どこで・どっちの方向か。
- 事業所から、ほかの職員や保護者、必要に応じて警察への連絡につながります。
送迎で1人しかいない場面の備えはこの記事にまとめています。

報告するのが、こわいです。自分のミスだと思われそうで。

報告が遅れるほうが、あとで重くなる。
見つかってから報告したケースが、いちばん問題になりやすいんだ。
追い方は、走って追うだけではない
動き方
- 危険な場所を先に押さえる 車道、駐車場、踏切、川や池。行きそうな順ではなく、危ない順に見ます。
- 先回りする 追いかけると、逃げる形になって速くなることがあります。回り込んで進行方向に立ちます。
- 行き先の心当たりを共有する 好きな場所、自宅の方向、前に行った場所。知っている職員が伝えます。
- 見つけても走って詰め寄らない 距離をとって、正面ではなく斜めから近づきます。
- 名前を大声で呼び続けない 追われていると分かると、さらに離れることがあります。
見つけたあと
いちばん言いたくなるのが「どうして行ったの」です。
ただ、その場で理由を聞いても、答えられないことがあります。
その場ですること
- けがの確認 転んでいないか、車に近づかなかったか。
- 短く声をかける 「見つかってよかった」だけで十分です。
- 戻る道は、話さずに歩く 説教しながら歩くと、次から見つかりたくなくなることがあります。
- 理由は、落ち着いてから その日のうちに、別の場面で聞きます。
落ち着ける場所の作り方はクールダウンの場所にあります。
出ていく前にできること
起きてからより、起きる前のほうが打つ手があります。
環境の側
- 出入口の近くに人を置く 屋外では、出口側に職員が立つ位置を決めます。
- 行き先を先に見せる 「ここからここまで」と範囲を目で示します。
- 出ていきたくなる時間を知る 帰りの前、活動の切り替え、人数が多い時間帯に多いことがあります。
- 荷物を持ってもらう 手がふさがると、動き出しにくくなることがあります。
やってはいけない形
鍵をかけて出られなくする、部屋に閉じ込める形は身体拘束に当たります。
ガイドラインでは「自分の意思で開けることのできない居室等に隔離すること等は身体拘束に当たり」、緊急やむを得ない場合を除き禁止とされています。
出ていかせないための施錠は、個人の判断でしません。
身体拘束の線は他害の場面に居合わせたらでも扱っています。
制度の側では、どう書かれているか
ガイドラインの記述
設置者・管理者は「設備の安全点検、職員やこども等に対する事業所外での活動・取組等を含めた(中略)安全に関する事項について、安全計画を策定するとともに、職員に周知し、安全計画に従って研修及び訓練を定期的に行う」ことが求められている。
「リスクの高い場面(例えば、食事、プール、移動、送迎、屋外活動などの場面)において職員が気を付けるべき点や役割等を明確にした安全管理マニュアルを作成することが重要である」
送迎については「乗降時の際に点呼を行うなど、こどもの所在を確実に把握することができる方法により所在を確認する」ことが求められている。
役割を明確にしたマニュアルは、あるべきものとして書かれています。
だから、こう聞いて構いません。
聞いていいこと
- 「屋外活動のとき、自分はどの役割になりますか」
- 「1人いなくなったときの手順は、どこに書いてありますか」
- 「連絡先のリストはどこにありますか」
新人でも聞けます。事故のあとに知るより、先に知っておくほうが安全です。
記録と報告
残すこと
- 時刻 いなくなったと気づいた時間、見つけた時間。
- 場所と方向 どこから、どちらへ。
- 直前の場面 何をしていたか、その前に何があったか。
- 誰がどう動いたか 残った人、探した人、連絡した人。
ガイドラインには「事故の種類を問わず、家族には、事故が発生した場合は必ず連絡を行い」とあります。
連絡は事業所の判断で行います。
見つかってけががなくても、ヒヤリハットとして残します。
書き方はこの記事にまとめています。
職員がけがをしたときは労災の考え方にあります。
よくある質問
Q. 自分の見ていたときに起きました。責任はどうなりますか。
A. 1人の見落としで起きたのか、体制のほうに原因があったのかは、事業所として検証するものです。まず報告と記録です。
Q. 追いかけたら道路に出てしまいそうで、動けませんでした。
A. 追わずに先回りするのは、正しい選択肢の1つです。走って追うことで道路に出てしまう場面もあります。
Q. 警察に連絡するのは大げさではないですか。
A. 判断は事業所が行います。職員が迷うところではないので、いなくなった時点で報告し、そのあとの判断を仰ぎます。
Q. 保護者にどう伝えればいいですか。
A. 事業所として伝えます。その場で自分が説明しにいかず、管理者や児発管につなぎます。
Q. 同じ子が何度も出ていきます。
A. 時間帯と直前の場面を毎回残します。共通点が見えると、出入口の位置や活動の順番を変える手がかりになります。
まとめ
この記事のポイント
- ① 最初の60秒は人数を数える → 役割を分ける → 報告する。
- ② 1人で追わない。残った子の安全も同時に動いています。
- ③ 追うより危険な場所を先に押さえる・先回りする。
- ④ 見つけたあと、その場で理由を聞きません。
- ⑤ 屋外活動の役割は安全管理マニュアルにあるもの。先に聞いておきます。

いなくなったと気づいた瞬間の怖さは、その子を大事に思っている証拠だ。
でも、怖さのまま走り出すと、残った子が見えなくなる。
数えて、分けて、伝える。順番を1つ覚えておこう。
今日のあなたに、はなまる。
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