放デイで子どもに感情移入しすぎる…仕事を家に持ち帰らないための「共感」と「巻き込まれ」の分け方【職員向け】
休みの日なのに、あの子のことを考えている。
家で夕飯を作りながら、今日のパニックの場面を思い出している。
「あの家庭で、今夜は大丈夫だろうか」と眠れない。
子どもに寄り添いたいと思うほど、自分の気持ちが休まらない。
この記事では、子どもに感情移入しすぎて、仕事を家に持ち帰ってしまう職員に向けて、気持ちの置き場所の作り方をまとめます。
先に結論
① 感情移入しやすいのは、この仕事に大事な力でもあります。なくさなくていい。
② 分けたいのは「共感」と「巻き込まれ」です。
③ 支援はチームでするもの。一人で背負わない仕組みがあります。
④ 帰る前に記録と申し送りに置いていくと、家に持ち帰りにくくなります。
⑤ 休みの日も眠れない日が続くなら、相談するタイミングです。

だいち先生、休みの日も、ある子のことが頭から離れないんです。
こんなに考えちゃうの、おかしいですか。

おかしくないよ。
子どもの気持ちを感じ取れるのは、この仕事にとって大事な力なんだ。
ただ、その力で自分がすり減ってしまうなら、気持ちの置き場所を作っておこう。
「共感」と「巻き込まれ」を分ける
感情移入には、2つの形があります。
2つの違い
- 共感 その子のつらさを感じ取って、「今どうすれば少し楽になるか」を考えられる状態。
- 巻き込まれ その子のつらさが自分のつらさになって、仕事が終わっても離れない状態。
共感は支援の力になります。巻き込まれが続くと、支援する側が先に疲れてしまいます。
巻き込まれやすくなるのは、次のようなときです。
巻き込まれやすいとき
- 家庭の事情を知って、「自分が何とかしなきゃ」と感じたとき。
- 自分の子ども時代や家族と重なって見えたとき。
- 一人でその子の対応を任されることが多いとき。
- うまくいかなかった場面を、誰とも話さずに帰ったとき。
支援はチームでするもの
国の放課後等デイサービスガイドラインには、こう書かれています。
ガイドラインの記述
「事業所において、多職種でそれぞれの専門性を発揮し、こどものニーズを多方面から総合的に捉えるとともに、互いに協力しあいながらチームアプローチによる支援を行うこと。」
「支援終了後に職員間で打合せを実施し、その日の支援の振り返りをし、こどもや家族との関わりで気づいた点や、気になった点について職員間で共有するも重要である。」
ガイドラインが描いている支援は、一人の職員が一人の子を背負う形ではありません。
「自分が何とかしなきゃ」と感じたときほど、チームに渡すことを思い出します。

でも、家庭のことが心配で……。
わたしが何かしてあげたくなるんです。

その気持ちは大事にしていい。
でも、家庭への支援は児発管や相談支援の人たちと一緒に考えるものなんだ。
気になったことを伝えるのが、あなたにできる一番の支援だよ。
帰る前に「置いていく」3つの習慣
気持ちを事業所に置いていく方法
- 記録に書き切る 気になった場面は、事実として記録に残します。書いたものは、次の人も読める場所に置かれます。
- 申し送りで渡す 「明日の〇〇さん、ここを気にしてほしい」と一言渡すと、自分だけが抱える形から外れます。
- 帰り道の区切りを決める 車に乗ったら音楽をかける、駅の改札を通ったら仕事のことは考えない、など。
「置いていった」と思えると、家での時間を自分のために使いやすくなります。
申し送りで何を渡すかは申し送りで何を残すかにまとめています。
家でも考えてしまうときは
家でできること
- 考えてしまったら、メモに1行書いて「明日、職場で考える」と決めます。
- 体を動かす、湯船につかるなど、頭より体を使う時間を作ります。
- 休みの日は、仕事の連絡を見ない時間を決めておきます。
疲れの種類と抜き方は放デイの疲れが取れないときに、帰り道に涙が出た夜のことはこの記事に書いています。
眠れない日が続くなら
休みの日も眠れない、食べられない、朝がつらい。
そんな日が続くなら、ひとりで抱えずに誰かに話すタイミングです。
厚生労働省の「こころの耳」には、働く人が匿名・無料で相談できる窓口があります。
職場の体制そのものがつらさの原因になっているなら、環境を変えることも選択肢の一つです。
福祉の外も、見てみたい人へ
▶ 未経験の業界への転職支援「ハタラーク」に無料相談してみる
※業界・職種が未経験の人の就職・転職を支援するサービスです。相談=転職ではありません。比べる材料を増やすつもりで大丈夫です。
よくある質問
Q. 感情移入しないように、冷たく接したほうがいいですか。
A. 冷たくする必要はありません。子どもの前では気持ちを向けて、帰るときに置いていく。切り替えを作るほうが続けやすくなります。
Q. 特定の子ばかり気になってしまいます。
A. その子への関わりが偏っていないか、ほかの職員に見てもらいます。
「えこひいき」と言われたときの記事もあわせてどうぞ。
Q. 家庭の事情が気になって、保護者に踏み込んで聞きたくなります。
A. 気になったことは、児発管に伝えます。家庭への関わりは、事業所として決めて進めます。
まとめ
この記事のポイント
- ① 感情移入しやすいのは大事な力。なくさなくていい。
- ② 分けたいのは共感と巻き込まれ。
- ③ 支援はチームでするもの。一人で背負わない。
- ④ 帰る前に記録と申し送りに置いていく。
- ⑤ 眠れない日が続くなら相談する。

子どものことを家でも考えてしまうのは、それだけ一人ひとりを大事にしているからだ。
その優しさを長く使えるように、置き場所を作っていこう。
今日もたくさん心を使ったあなたに、はなまる。
あわせて読みたい
▶ 放デイの帰り道に涙が出た夜に|向いていないからじゃない理由と、今夜やること3つ【職員向け】
▶ 放デイの仕事で疲れが取れない…疲れの正体4種類と回復のしかた【現場目線】
▶ 放デイの申し送り、何を残す?全部書かずに「3つ」に絞る1行の型と、朝夕の打ち合わせがない職場での伝え方【職員向け】
▶ 放デイで相談できる先輩がいない…聞く相手を4つに分ける方法と、聞き方を軽くする型【現場目線】
▶ 放デイ職員の悩み まとめ

