放デイで働きながら保育士資格は取れる?実務経験2年・2,880時間と知事認定のルート【職員向け】
放デイで働くうちに、保育士資格を取ろうかと考えはじめた。
でも、調べるほど分からなくなる。
「放デイの勤務は実務経験になる」と書いてあるサイトもあれば、「ならない」と書いてあるところもある。
この記事では、放デイで働きながら保育士試験を受けるための条件を、公式の受験資格の書き方に沿って整理します。
先に結論
① 短大・専門(2年以上)・大学で62単位以上なら、実務経験なしで受験できます。
② 高卒の人は、放デイでの勤務を使って受験できることがあります。
③ ただし放デイは「児童福祉施設」ではありません。都道府県知事の認定を受けるルートになります。
④ 必要なのは2年以上かつ2,880時間以上(高卒等の場合)。
⑤ 一度合格した科目は翌々年度まで免除されます。働きながら分けて受けられます。

だいち先生、放デイの勤務って保育士試験の実務経験になるんですか?
サイトによって書いてあることが違って……。

そこ、いちばん間違いが多いところなんだ。
まず自分の学歴を確認するのが先。
それで、実務経験が要るかどうかが決まるよ。
① まず学歴で分かれる
全国保育士養成協議会が公表している受験資格には、こう書かれています。
実務経験なしで受験できる人(抜粋)
「学校教育法による大学に2年以上在学して62単位以上修得した者または高等専門学校を卒業した者」
「学校教育法第124条及び第125条による専修学校の専門課程(修業年限2年以上のものに限る)または各種学校(中略)を卒業した者」
短大卒、専門学校卒(2年以上)、大学で62単位以上。
ここに当てはまる人は、学部・学科を問わず受験できます。
中退でも62単位あれば対象です。
この場合、放デイでの勤務年数は関係ありません。
② 高卒の人が使えるルート
高卒の場合は、実務経験が必要になります。
ここで多くの記事が間違えています。
実務経験ルート(高卒等)の原則
「高等学校を卒業した者(中略)であって、児童福祉施設において、2年以上の勤務で、総勤務時間数が2,880時間以上、児童の保護に従事した者」
ここに書かれているのは児童福祉施設です。
放課後等デイサービス事業所は、これに入りません。
児童福祉法第7条(児童福祉施設の定義)
「この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター及び里親支援センターとする。」
ここで分かれます
- 児童発達支援センターで働いている → 児童福祉施設にあたります。
- 放課後等デイサービス事業所・児童発達支援事業所(センターではない)で働いている → 児童福祉施設ではありません。
求人票や受給者証に「児童発達支援センター」と書かれているかどうかで変わります。
事業所の指定の種類を確認します。
③ 放デイは「知事認定」のルート
では放デイの勤務が無駄かというと、そうではありません。
受験資格には、知事の認定を受けて受験できる施設の一覧があり、その中にこう書かれています。
知事認定の対象になる施設等(抜粋)
「(シ) 障害児通所支援事業(児童福祉法第6条の2の2第1項に規定する障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く))」
放課後等デイサービスと児童発達支援は、この障害児通所支援事業にあたります。
知事認定ルートの条件(高卒等の場合)
- 高校卒業などの学歴があること。
- 対象の施設等で2年以上かつ2,880時間以上、児童等の保護または援護に従事したこと。
- 受験を希望する都道府県知事の認定を受けること。
学歴の条件に当てはまらない場合は、同じ施設等で5年以上かつ7,200時間以上という枠もあります。
この「知事認定」は、受験申請とは別の手続きです。
申請の時期や必要書類は都道府県ごとに違うので、早めに問い合わせます。
④ 2,880時間の数え方
確認しておくこと
- 2年以上と2,880時間以上の両方が要ります。片方だけでは足りません。
- 週の勤務時間が短いパートの場合、2年たっても時間数に届かないことがあります。
- 証明するのは事業所が出す勤務証明書です。様式は都道府県が指定します。
- 複数の事業所での勤務を合算できるかは、都道府県に確認します。
辞めたあとに証明書を頼むと手間が増えます。
資格を考えはじめた時点で、事業所に相談しておくほうが動きやすくなります。
受験資格の全文は、全国保育士養成協議会の公式ページで確認できます。
⑤ 科目は分けて受けられる
保育士試験は科目数が多いのですが、一度に全部そろえる必要はありません。
児童福祉法施行規則 第6条の11
「都道府県知事は(中略)既に合格した科目(中略)のある者に対しては、その申請により、当該科目に合格した日の属する年度の翌々年度までに限り当該科目の受験を免除することができる。」
合格した年度を含めて3年度のあいだ、その科目は免除されます。
働きながら少しずつ進められる作りになっています。
資格を取ると、何が変わるか
放デイの中で変わること
- 保育士として配置に数えられます(児童指導員とは別の枠です)。
- 事業所によっては資格手当がつきます。
- 保育所・認定こども園など、働ける場所が増えます。
手当の有無や金額は事業所ごとに違います。
就業規則や給与規程で確かめます。
資格と配置の関係は無資格・未経験でも働ける?、給与との関係は放デイの給料は上がる?にまとめています。
よくある質問
Q. 放デイでの勤務は「児童福祉施設での実務経験」として申請できますか。
A. 放課後等デイサービス事業所は児童福祉施設ではないため、その枠では申請できません。障害児通所支援事業として、知事認定のルートで申請します。
Q. 送迎や事務だけの時間もカウントされますか。
A. 「児童等の保護または援護に従事した」時間が対象です。数え方は都道府県の判断になるため、勤務証明書の書き方とあわせて確認します。
Q. まだ2年たっていません。
A. 1年以上従事していて、試験の実施から1年以内に2年かつ2,880時間に届く見込みであれば、申請できる枠があります。ただし届かなかった場合、その試験の結果は無効になります。
Q. 独学でも受かりますか。
A. 独学の人もいます。科目数が多いので、働きながらなら、科目を分ける計画を先に立てるほうが続けやすくなります。
まとめ
この記事のポイント
- ① 短大・専門2年以上・大学62単位なら実務経験は不要。
- ② 高卒の人の原則は児童福祉施設で2年・2,880時間。
- ③ 放デイは児童福祉施設ではないので知事認定のルート。
- ④ 2年と2,880時間の両方が要る。勤務証明書は事業所から。
- ⑤ 合格科目は翌々年度まで免除。分けて受けられる。

資格を取ろうと考えはじめたこと自体が、ひとつの区切りだよ。
今いる場所で働いた時間が、次につながる形になっている。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「受験資格詳細」(公式ページ/2026年9月20日確認)
児童福祉法第7条(児童福祉施設の定義)
児童福祉法施行規則第6条の11(合格科目の免除)
※受験資格の判断と知事認定の手続きは、受験を希望する都道府県が行います。最終的な確認は都道府県の窓口でお願いします。
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